やっぱり僕は歌が好き 第十一楽章「性格の悪さが売り」
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「じゃぁ私達はお城の入り口で待ってるわね」
「うん。終わったら直ぐに行くわ」
ピエの言葉に返答して、陛下の方へと向き直す。
「……リューナの事、気付いてたんだ」
「あ……か、顔に出てましたか?」
リューナ嬢が陛下の娘さんである事は、気付いて無いように振る舞っていたつもりだが、陛下には気付かれていたらしい。
「コイツの“『娘さんを僕にください』って言う”って言った時の君の表情で察した」
「流石陛下ですわ……誰にも悟られないように気を付けていたつもりでしたが……申し訳ございません。以後は一層気付かれないように努めますわ」
「うん。まぁ多分、先刻のアレで気付く奴は、そうは居ないから大丈夫だと思うよ。あんまり重く受け止めないでね。でもリューナの安全を考えたら、なるべく知ってる人を少なくしておきたいから、その辺はよろしく頼むよ」
「はい、肝に銘じます。それと……リューノさんが、リューラさんの腹違いの姉妹である事も本日知ってしまいました。コレに関してはリューラさんが自らバラしました故、先程の連中も知っておりますわ」
「あぁそうなんだ。じゃぁリューノの妊娠関係の事も……?」
「はい。ご懐妊なさってる事はあの場に居た皆が知ってます。お相手が誰なのかは解りかねておりますが、かなりのクズ野郎である事も皆が知っております。陛下は勿論リューノさんの彼氏の事をご存じなのですよね?」
「うん、知ってる。凄ーヘタレ(笑) 男としては最低野郎。仕事は出来るんだけどねぇ……」
「そうなのですか……」
「……………………」
隣に居たクズ宰相が何かを言いたげだったが、珍しく他者への誹謗中傷を我慢してる様だ。
流石に姫君の彼氏の事だから、お父上の前で悪く言うのを控えてるのだろうか?
そんなタマだったかしら? 陛下の前でも気にせず、言いたい事を言う性格の悪さが売りの人間だったはずだけども?
「じゃぁ取り敢えず用件はそれだけ。皆と一緒にご飯を食べてきて」
「あ……はい。それでは……」
私は慌てて頭を下げてその場を離れようとした……
「ああそうだ、先刻言い忘れた。明日プーサンが芸高校に行くから、卒業式の相談や練習が出来る部屋を確保しておいてね。それからリューナに『魔技高校と共同での卒業式制作だから、そっちの学校からもあと1〜2人は人員を出してね』って言っておいて」
「り、了解致しました。何やら魔技高校からは新発明の品を活用して頂けるとの事ですし、機密保持が出来る部屋を用意して放課後待っております。プーサン社長にはよろしくお伝え下さい」
再度陛下に頭を下げて踵を返す。
隣のクズ宰相は頗る顰め
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