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レーヴァティン
第二百七十一話 調べ終えその四

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「この世界はな」
「はい、確かに神々の力が強く及び」
「遊戯の場とさえな」
「思えます」
 夕子は答えた。
「そうとさえです」
「そうだな、そこまでだ」
「神々の存在が大きいです」
「そうした世界だな」
「そしてクトゥルフが世界を石に変えて海に沈めても」
 その様なことをしてもというのだ。
「他の神々は何をしているのか」
「何もしていないな」
「どう見てもです」
 それこそというのだ。
「傍観しています」
「他の神々はな」
「他の信仰の神々だけでなく」
「ラグクラフトの神々もな」
「あの神話の神々は助け合うことはないです」
 夕子は話した、ラグクラフトの神々は本能的な悪意に満ちているだけでなくこのことも特徴だというのだ。
「決して」
「そうだな」
「極めて本能的な思考であるので」
「協調し合うこともな」
「ありません、普通の生きものの様に群れを作ったり」
「協力し合ったりな」
「助け合うことはです」
 そうしたことはというのだ。
「ありません」
「むしろだ」
「共食いの様に攻撃し合います」
「互いにな」
「知能は高いですが」
 このことは事実だがというのだ。
「神のそれを持っていますが」
「それでもな」
「はい」
 それでもというのだ。
「本能に従い動き」
「助け合うことはなく」
「潰し合います」
「そうした神々だな」
「ですがこの度は」
「クトゥルフが目立った動きをしてもな」
「それに反応を示して」
 そしてというのだ。
「他の神が動くことはなく」
「むしろだ」
 英雄は静かな声で話した。
「ナイアーラトホテップが言ってきたな」
「そうそう、介入してこないってね」
 淳二が応えた。
「わざわざ言ってきたね」
「あの神自体がな」
「そうだったね」
「絶対に介入しないとな」
「言ってきたよ」
「あえてそうする理由は何だ」
 ナイアーラトホテップが自分達とクトゥルフの戦いに介入することがないと自ら言った様なそれはというのだ。
「そう考えるとな」
「試練だね」
「その結論に至る」 
 クトゥルフの今回の動きそれに他の神が見の傍観はというのだ。
「どうしてもな」
「うん、ただその試練が何か」
「何が目的か」
「それがだ」
「わからないね」
「どうもな」 
 こう言うのだった。
「今は」
「やがてわかるかな」
「海の魔神がクトゥルフだったことがわかった様にだな」
「そうなるかな」
「そうかもな」
 英雄は淳二のその考えを否定せずに答えた。
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