異伝〜奥義伝承の試し〜
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
奥伝”に至る道筋はできている――――――いよいよその時に至ったという事だ。」
「!ま、まさか……もしかして老師の代わりに……!?」
カシウス中将の話を聞いてカシウス中将の目的を察したリィンは驚きの表情でカシウス中将に確認した。
「ああ、ユン老師の代理として君が奥伝に至れるか見届けさせてもらう。それほど時間は取らせない――――――二人とも少しばかり付き合ってもらおうか?」
リィンの言葉に頷いたカシウス中将は真剣な表情で答えた。その後二人はカシウス中将と共に広い場所へと向かった。
「―――――改めて手紙での老師の言葉を伝えるとしよう。」
そしてカシウス中将は自身が受け取った手紙の内容をリィンに伝え始めた。
『リィンよ、大変な状況のようじゃったとの事じゃが、足掻きながらも前に進み、乗り越えたようじゃの。ゆえにユミルに届けるよりも早くお主に届けられるカシウスに文を託すことにした。この動乱で、初対面となる兄弟弟子同士、邂逅する可能性が高いと思うたのでな。さて――――――既に中伝に至っているおぬしだが既に十分な実力は備えているじゃろう。本質が変わり、より強化された鬼の力を御する時点で資格は十分アリと判断する。あとは証を立てることのみ――――――己自身より一本を取ってみるがよい。それを持って奥義伝承とする。』
「老師が……そんな事を。し、しかし己自身から一本取れと言われても……」
手紙の内容を聞き終えたリィンは驚いた後戸惑いの表情を浮かべた。
「フッ、完全に同じではないだろうが……私すらも知らされなかった”裏”の”妹弟子”が既に似たような場面を君に体験させたと老師から私に充てた手紙に書いてあったが?」
「………ぁ……」
カシウス中将の話を聞いたリィンはシズナとの出会いやその後すぐに始まった一騎討ちの際、最後に放ったお互いの一撃の事を思い返した。
「そうだった、あの時の俺とシズナは………」
「――――――たった一合の為の闘気による無数の読み合いをしたんだったね。」
そして思い出したリィンがある事を口にしようとしたその時突如娘の声が聞こえ、声に驚いたリィン達が振り向くとシズナがいた。
「シ、シズナさん……一体いつの間に……」
「”シズナ”……となるとお前さんが私も老師の手紙で知らされるまで今まで知らされなかった”裏”の”妹弟子”か……」
「フフ、”最初”からだよ。偶然兄弟子の娘が弟弟子に話しかけている所を見て察して、君達が艦から出ていくのを確認した後気配を消して君達の後をつけさせてもらったのさ。」
「”観の眼”で俺達の目的を察して、つけていたのか………」
エリゼが困惑している中エリゼが口にした名前を聞いてシズナの正体を察したカシウス中将は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ