第五百十一話
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第五百十一話 もう血はいらない
お風呂から上がるとだった、カーミラは自身の使い魔達にバスタオルで身体を拭いてもらってから述べた。
「今から少し寝て夜はね」
「お散歩ですか」
「まずはそちらですね」
「それから一日をはじめるわ」
こう言うのだった。
「私のね、今夜は昼更かしをしたわね」
「ご主人様は昼に寝られますので」
「そうなりますね」
「ではですね」
「今から少しですね」
「寝るわ、そして七時になったらね」
夜のというのだ。
「起こしてくれるかしら」
「畏まりました」
「ではその様に致しますので」
「暫しお休み下さい」
「それではね、そして」
カーミラは服を着つつ微笑んで話した、下着の上にガウンをまとってその前を緩やかに帯で締めている。
「起きたらね」
「夕食ですね」
「それになされますね」
「まずは」
「そうするわ、その時はワインをお願いするわ」
優雅な笑みでの言葉だった。
「もう血はいらないわ」
「左様ですか」
「ではですね」
「これからも」
「ワインを飲めば」
この酒を飲めばというのだ。
「それだけで血を飲むのと同じ栄養が得られるし」
「しかも美味ですね」
「この上なく」
「だからですね」
「そうするわ、日本に来て変わったわね」
カーミラは自分で自分のことを話した。
「吸血鬼だというのにね」
「血を飲まれなくなりましたね」
「自然と」
「ワインを飲まれてです」
「それでよくなりましたね」
「そうなったわ、だからね」
それでというのだ。
「このままいくわ、血を吸うよりも簡単だしね」
「ですね、ワインは売られています」
「血は人を襲わなくては手に入りません」
「ワインの方がいいですね」
「だからそちらを飲むわ」
笑顔で言ってだった、カーミラはガウンを着ると寝室に入った。そのうえで少しだけ眠りを楽しんだのだった。
第五百十一話 完
2022・9・29
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