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レーヴァティン
第二百七十話 禍々しさを知りその九

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「自分も知らないとな」
「お互い知ってこそや」
 まさにとだ、美奈代も言ってきた。やはりメインディッシュであるアイスバインを旺盛な食欲でたいらげている。
「まさにや」
「充分に戦えてな」
「勝てるわ」
「そうだよな」
「百戦危うからずや」
「本当にそうだな」
「そしてや」
 美奈代はさらに言った。
「もっと言うとな」
「何だ、まだあるか?」
「ここではそうは言えんが」
 笑って前置きしての言葉だった。
「戦わずして勝つ」
「百戦百勝よりもだな」
「それが最善や」
「そういうことだな」
「敵を知り己を知ってな」
「尚且つ戦わずして勝つ」
「それがや」 
 まさにというのだ。
「最善や」
「孫子はそう書いてるな」
「けど今回の戦いはや」
「避けられないからな」
「この世界を救う為にな」
「だから戦わずして勝つことはな」
「出来んわ」
 美奈代はこのことは残念そうに述べた。
「確かに戦わずして勝つは最善やが」
「戦わないと仕方ない戦もある」
「それが今回や」
「そうだな、自分達を守る為に」
「そして世界を救う為にや」
「しないと駄目な戦はあるな」
 久志は実感している声で述べた。
「やっぱり」
「これまでもそうした戦は多かったわ」
「相手も降らなくてな」
「この浮島を統一してか」
「クトゥルフと戦う力を備える為にな」
「そうした戦をしてきた」
 まさにとだ、美奈代も話した。
「そうやった」
「本当にそうだったな」
「そしてこれからの戦もな」
「同じだな」
「そんな戦もある、ここであれこれ言うてもな」
「するしかないな」
「最後の最後まで迷ってもよ」
 それもとだ、双葉は強い声で話した。
「結局はね」
「戦うしかない戦はな」
「戦うしかないわ」
「日露戦争みたいにな」
「負けたけれど第二次世界大戦もね」
「もう生きるか死ぬかになれば」
「それしかないわ」
 こう言うのだった。
「非戦と言っても」
「反戦ともな」
「そうするしかない時もあるのよ」
「どうしてもな」
「だからよ」
 その為にというのだ。
「今回もね」
「戦おうな」
「クトゥルフに平和を言っても」
「通じないな」
「会話が出来るか」 
 この神と、というのだ。
「果たして」
「まあ無理だな」
「そうよ」
 双葉もそれはと答えた。
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