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レーヴァティン
第二百七十話 禍々しさを知りその四

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「クトゥルフとはな」
「そういうことだな」
「そしてあの神の眷属のこともな」
「わかってきたな」
「そうだ、ダゴンともディープワンとも呼ばれるな」
「半魚人達だな」
「深き者共とも呼ばれている」
 芳直は話した。
「俺っちも少し聞いたことがある」
「海にそんな連中がいるってか」
「深海の底にな」
 その場所にというのだ。
「息を潜めていてな」
「そうしてだな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「時が来れば動くとな」
「地上を攻めにか」
「そうしたことを目論んでいるとな」
「ラグクラフトの言う通りだな」
「この世界でもだ」
「そうなんだな、しかしな」
 久志は骨を見た、見ればまだ肉が結構残っている。その肉をフォークで刺して固定させてナイフで切りつつ話した。
「連中は攻めてきてもな」
「世界を滅ぼすまではな」
「考えていないのかもな」
「試練でいるのならな」
「あの神々も世界が滅んだら困るのかしらね」
 留奈は首を傾げさせつつ言った。
「若しかして」
「そうかもな」
 久志も否定しなかった。
「試練とか言われてるしな」
「そうよね」
「若し世界を完全に滅ぼすなら」
 久志はさらに言った。
「二つの浮島もだよ」
「石に変えてね」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「海に沈めていたよ」
「そうしたら私達も何も出来なかったわ」
「浮島も何もなくてこの世界に来てもな」
「そこにあるのが海だけなら」
 それならというのだ。
「もうな」
「そうよ、お魚でもないとね」
「お手上げだよな」
「完全にね」
「そうしなかったことを見てもな」
「クトゥルフにしてもよ」
「世界を滅ぼすつもりはないんだな」
「そう考えるのが妥当ね」
「そうだな」
 久志は留奈のその指摘に頷いた。
「はっきりしないことでもな」
「これはね」
「そう考えられるな」
「まあ何の為の試練かは気になるけれど」
「それでもな」
「私達はやるべきことをやることね」
 留奈はアイスバインの皿にあるザワークラフトを食べた、そのザワークラフトは茹でられたものであり温かい。
「まずは」
「クトゥルフを出してな」
「あの神様のいるところに軍を送ってね」
「その眷属と戦ってな」
「勝つことね」
「そうだよな、じゃあな」
「もっと調べていきましょう」
 こう言うのだった。
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