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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第3話:天馬と魔導師と盗賊と
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細みの槍で馬上で振り回し数人の山賊を相手にしている。
「負けないわよ!」
 その細い腕からは信じられないほど力強く素早い突きが繰り出され山賊を次々と倒していく。
 アスベルの目の前の山賊をグラフカリバーで倒した時カリンは自分に襲いかかる山賊をすべて倒していった。ふと隣にアスベルの方を見た時アスベルの背中に斧を叩きつけようとする山賊がいた。
「アスベル君、危ない!」
 だがカリンが悲鳴をあげるよりより早くアスベルは背中への一撃を振り向きもせず交わし山賊の首のすぐ横を手刀で払った。
「グラフカリバー!」
 斧を振り下ろしたままの姿勢で、山賊は動かなくなった。やがて山賊の首がゆっくりと地に落ちると切り口から鮮血が噴き出し身体も地面に倒れた。
 膝を付きながらも手で服の砂を払いながらアスベルは立ち上がった。そしてカリンの方を見て言った。
「どうしたんですか?カリンさん」
 少し驚いたような顔である。
「あ、別に」
 と言葉を残すだけであった。外見に似合わぬ強さに驚いていたのはカリンの方だった。

「覚悟なさい!」
 ミーシャが天馬を急降下させ民家を襲おうとしていた山賊に鋼の槍を振り下ろす。西瓜のように叩き割られ倒れる。
「この女、死にやがれ!」
 仲間を殺された山賊が斧を下から振り上げた。ミーシャは、斧を持つ手首を切り飛ばし返し手で袈裟斬りにした。
「そんな攻撃!」
 血走った眼で襲いかかる山賊たちを切り伏せミーシャは彼らを見据えた。その直後、民家の上から山賊が飛び降りてくる。そのままミーシャを一撃で打ち殺すつもりだ。
「やらせない!」
 飛び上がると同時に槍を横に一閃させた。ミーシャが民家のすぐ上で天馬を山賊を振り向かせた時山賊は胸を真っ二つにされ地面に落ちていった。

 二つの村のちょうど中間点でスルーフは他のメンバーを待っていた。プリーストであり戦闘の魔法が使えないためそこでみんなを待つと同時に手にするリライブの杖で離れた仲間の傷を癒やすことが彼の仕事である。
 スルーフは双方の村を交互に心配するような顔で見ている。結構時間が経っているが、誰も帰ってこないからである。だがそれは杞憂だった。
 二つの村から四騎の天馬がスルーフの方へ来る。そのうち三騎の後ろにはもう一人乗っている。全員無事だった。
「すまない、遅くなった」
 フィーの後ろに乗るアーサーが言った。
「急ぎましょう」
 スルーフはそれを攻めるまでもなく言った。そして僧侶とは思えぬほど身のこなしでミーシャの天馬の後ろに飛び乗った。
 四騎は全速力で三番目の村に向かったところは山賊の数が最も少なく一番遅かったため最後にしたのだ。やがて八人はあることに気づいた。
「何かあまり荒らされてないみたい」
 カリンが言った。
「確かに。もっとやられて
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