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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第3話:天馬と魔導師と盗賊と
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た。フィーたちと比べると長身で顔立ちも女性の美しさがある。短めの緑の髪と瞳を持ちスリットの入った丈の短い空色のワンピースの上に肩当てと胸当ての鎧、灰色のタイツと白い手袋とブーツを身に着けている。ミーシャである。
「そろそろ行きましょう。解放軍はガネーシャにいるそうよ」
「あ、はい」
「じゃあ行きますか」
 六人は再び天馬に乗った。ミーシャのペガサスを先頭に楔形の陣形で四騎は天に上がった。ミーシャはすぐ後ろに乗る青年に声をかけた。
「スルーフさん、すみません。なんか妙な一行を入れてしまいました」
「いえいえ、旅は一人より大勢の方が面白いですよ」
 金髪碧眼の気品のある顔立ちの美しい青年である。細い普通位の背を持ち手首や裏地が紫で彩った白い法衣とズボン、薄紫のマントを羽織っている。
「ブラギの塔でクロード様に言われて『世界を救う光となる者』を探すため旅に出て早一年、その間は色々とありましたがこれまでになく楽しい気分です。それもミーシャさんや皆さんのおかげです」
「そんな・・・・・・」
「それにセリス公子やシャナン公子には以前より興味がありました。彼らとも一度はお会いしたいと思っていたのです」
「そうだったのですか」
 暫くして一行の眼前に三つの小さな村が見えてきた。そしてそこへ向かう怪しげな一団も。
「賊みたいね」
 ミーシャがその整った眉をしかめた。
「私とカリンたちは一つ目の村、フィーとフェミナたちが二つ目の村、そして最後の村は、それぞれの村の賊を倒してから急行する。それで行くわ」
「ええ、それでいいわ」
「行くわよ!」
 アーサー、アミッド、アスベル、スルーフの四人は天馬から飛び降り、ミーシャ、フィー、フェミナ、カリンの四人は天馬の速度を速めそれぞれの村へ急行した。風が動いた。

 村では山賊の一人が民家の扉を斧で叩き破り、中年の夫婦と子供たちを脅して僅かな金目の物や食料を巻き上げ税に入っていた。
「へっへっへっ、たまんねえなあ」
 干した豚肉を葡萄酒で流し込みながら山賊たちは下品な笑い声をあげた。
「戦争が起こってくれて鬱陶しい兵隊共が他所に行ったちまうなんてな。おかげで俺たちは楽に町や村を襲えるってもんだ」
「そいつはいいな」
 後ろから声がした。
「おう!そうだろう?弱い奴らから巻き上げた酒や食い物を頂くってのはな」
「しかしそれも最後だな」
「へっ、なんでだ!?」
「お前がここで死ぬからだ」
「なにィ!?」
 山賊が振り向いた場所にはアーサーが立っていた。肩の高さで上へ向けて手の平には蒼い風が人魂のように吹き盛っている。足下には二人の山賊が風に包まれ倒れている。
「貴様、何者だ!?」
 風の手に身構えつつアーサーは仮面のように全く表情を変えずに見ている。
「これから死ぬ奴に言う必要
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