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Fate/WizarDragonknight
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 家族が死んだ。
 それが、初めての記憶だった。
 だけど、それが自分の家族だなんて、はっきりとはしなかった。
 ただ、焼き焦げた二つの体が自分の父と母と呼ぶべき存在だということは、忘却した記憶が語り掛けていた。

「……○○○……」

 自然と、その名前が口から出てきた。
 それが誰なのか。顔も見たことがないのに、自然と体が動いていた。
 燃える瓦礫を一つ一つ取り去る。焼けるような熱さが手を打つが、それでも手は止まらなかった。
 煤とガスに咳き込みながら、とにかく瓦礫を退かせる。

「○○○! ○○○!」

 その名前を呼び続けるも、どこからも聞こえてこない。
 ただ、雨の音だけが返事を返してくれた。

「○○○! ○○○!」
「お兄ちゃん……?」

 聞こえた。
 薄っすらだが、兄という自らの立ち位置を求める声。
 声が聞こえてくる場所は間違いない。
 急いで、そっちに向かう。
 熱され、熱くなった廃材たち。それを小さな手で退けながら、探す。探す。
 そして。

「いた!」

 少女。年下で幼い彼女は、下半身をひねりながら見上げていた。

「〇〇〇! 大丈夫!?」

 妹を抱え上げようとする。だが、瓦礫に挟まれた彼女を持ち上げることは不可能。
 すぐに瓦礫を退けようとする。だが未発達の手足では、重い瓦礫を指一本動かすことも叶わない。

「そんな……! 〇〇〇! 〇〇〇!」

 呼びかけるが、妹の薄っすらとした意識は、目に光を灯さない。
 どうすればいいのか分からない。ただ茫然と、妹の頬に手を当てる。熱い炎、冷たい雨。二つの温度が混じり合い、もう手に温度の感覚が分からなかった。
 そして。

「違う……〇〇〇〇〇じゃない……!」
「!?」

 妹の顔には、明らかに拒絶を示していた。
 妹に突き飛ばされ、ショックのあまり一瞬だけ茫然としてしまう。だが妹は、それでも兄である自分を否定する。

「〇〇〇〇〇はどこ!? 〇〇〇〇〇を返して!」

 その答えは持っている。
 だが、その真実を告げることはできなかった。
 やがて、妹の上に圧し掛かる瓦礫が、ゴロゴロと音を立てていく。音の結果がどうなるのかなど、火を見るよりも明らかだった。

「危ない!」

 妹の上に覆いかぶさり、妹を守ろうとした。
 だが。

「いやっ! 来ないでっ!」

 妹が、瓦礫を投げて拒絶した。
 瓦礫に挟まれて動けないのに。
 それはあまりにもショックで、動きを止めた。
 その間にも、瓦礫はそのバランスをどんどん崩していく。

「〇〇〇! 〇〇〇!」

 その名を叫ぶ。だが、妹の目は、冷たく強く、拒絶する。
 崩れていく瓦礫は、妹をその命ごと奪い。
 冷
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