六十六 自来也VSうちはサスケ
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まっているだろう」
「旦那には聞いてねェよ、うん!」
サソリに噛みついたデイダラだが、「それじゃフェアじゃないからな」と同意も同然の返事を返したナルトにガックリ肩を落とす。
つまりは”写輪眼”を使われていたら即、幻術に取り込まれて勝負にすらならなかったのだ。
それではフェアじゃない、とあえて“写輪眼”を使わなかったナルトに、やはり無謀だったか、と思い知ったデイダラは改めて「は〜…もういい。降参」と手を掲げる。
勝てるイメージが微塵も浮かんでこない。
ナルトと闘ってみたいと軽い気持ちで挑戦してみたかっただけのデイダラは、参った、と軽い調子で肩を竦めた。
その肩を、ぽんぽんっとサソリと角都が小馬鹿にするように小突く。
「止めて正解だ」
「賢明な判断だったな」
「おまえじゃ瞬殺だろうよ」
「辞世の句を詠む暇さえないだろうな」
「せめてジャシン様への祈りを捧げてから死ねよ」
「てめぇら好き勝手言いやがって…って、うん!?」
興味本位でナルトへ戦闘を仕掛けたデイダラは、次から次へと浴びせられる散々な言われように青筋を立てる。
直後、その中に自然とまざってきた聞き覚えのある声色に眼を見張った。
「生きてやがったか」
「殺しても死なねぇ(物理)奴だとは思っていたが」
いつの間にか、自分達の隣に立っていた相手にサソリと角都とデイダラはまるで最初からいたかのように話を続けた。
「どうだった?生き埋め地獄は」
「砂風呂にしても最悪だったぜ」
滝隠れの里出身らしい返答を返す。
そうして飛段はパッと喜色の笑みを浮かべて「流石だぜ、邪神様〜」とナルトへ駆け寄った。
「その呼び名、本気で止めろ」
会うたびに常套句のように返す言葉を口にしながら、ナルトは溜息をついた。
デイダラの血がついたクナイをくるりと懐に納め、瞳を閉ざす。
あえて使わなかった”写輪眼”が長い睫毛の幕によって、静かに閉ざされた。
紅き空が滄海の色へ戻ってゆく。
蒼い瞳の奥で静かに廻る紅色の写輪が再び眠りに堕ちた。
“写輪眼”
それは、渦を巻く朱の斑。
闇の中央で渦巻く紅の文様。
漆黒を思わせる瞳はただでさえ復讐心で歪んでいるのに、紅色の写輪が廻るにつれ、更に黒く淀んだ闇色を濃くさせた。
長い睫毛を押し上げた双眸が幕を上げるように、写輪を廻す。
その瞳に、黒く沈んだ地が映り込んだ。
漆黒に染めあげられた空は太陽も月も星すら見当たらない。
黒い空の下で、サスケは穴を掘っていた。
黒々とし
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