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渦巻く滄海 紅き空 【下】
六十六 自来也VSうちはサスケ
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る寸前にそれらの全てはナルトによって撃ち落とされた。


普通、あれだけの数の爆弾を全て不発にするなんてあり得ない。
“写輪眼”の力だろうか。爆弾を見切り、全てを真っ二つにしているのだろうか。


うちはイタチを思い出し、苦虫を噛み潰したような表情を一瞬浮かべたデイダラは、直後、頭上から降ってきた声にハッ、と振り仰いだ。

「あまり暴れるな」


逆光に翳るナルトの姿。
デイダラと似て非なる金の髪が、遺跡の大広間である翡翠の間で翻る。
翠の天井に映える金の髪が残像のように煌いた。


「飛段のように生き埋め地獄を味わいたいか」

刹那、デイダラの乗る巨大な鳥が墜ちる。


墜落しながらも身体を捻りながら、デイダラは天井に張り付かせていた小型爆弾へ指示を投げた。
小さな蜘蛛の形をした爆弾が音もなくナルトの背に張り付いたのを見届けた瞬間、爆発させる。

空中で白煙がぼんっと沸き上がった。
廃墟に爆音が響き渡る。


着地と同時に白煙を振り仰いだデイダラは、立ち上がろうとして、直後、身体を強張らせた。
頬を掠めた痛みに、降参、とばかりに両手を掲げる。


「やーっぱ。やめとくぜ、うん」

頬から流れる一筋の血が舌の上へ流れ込み、鉄の味がした。
爆発に巻き込まれたはずの存在がすぐ後ろにいる。
背後からクナイを自身の頬に添えるナルトに、デイダラは苦笑した。


「オイラは無謀なことはしない主義だ、うん」
「よく言うぜ」
「こっちが生きた心地がしなかったぞ」

いつの間にかデイダラの背後を取っていたナルトに驚きもせず、戦闘を観戦していたサソリと角都が呆れ顔を浮かべている。
もはやデイダラから闘う意志がないことを確認したナルトが、デイダラの頬からクナイを遠ざけた。

それを見て胸をなでおろした角都は心から「命拾いしたな」とデイダラに視線を投げる。

正直、ナルトが本気で闘うなら、自分達の身も危ないので避難すべきか悩んでいたのだ。
此処でデイダラが戦闘を止めたのは角都とサソリにとっても命拾いしたも同然だった。


「第一、“写輪眼”さえ使ってなかったのに、てめぇに勝ち目なんざねェだろ、デイダラ」

観察眼が鋭い角都の言い分に、デイダラが「うっそだろ、おい!」とナルトを振り返った。

「さっき爆弾を全部不発にさせたのは、“写輪眼”で見切ったからじゃねェのか、うん!?」


室内中に散らばせた起爆粘土の数々。
ナルト目掛けて一斉に浴びせた爆弾が全て不発に終わったのも背中に張り付かせた蜘蛛の小型爆弾も、“写輪眼”のおかげで見切ったのだと思っていたデイダラに、ナルトの代わりにサソリが返答した。


「坊が“写輪眼”使ってたら、速攻で幻術に取り込まれてたに決
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