第五百七話
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第五百七話 心が人間なら
使い魔達もパーティーに来ている、それでライゾウとタロも来ていてそれぞれのキャットフードとドッグフードを食べているが。
ライゾウはそのキャットフードを食べながらタロに語った。
「旦那、おいら思うんだけれどな」
「どうしたのかな」
「いや、人間ってな」
食べることは止めないで話すのだった。
「身体で決まるもんじゃないかもな」
「身体でなるんじゃないの?」
「いや、人間も腐ったらな」
「心がかな、この場合は」
「そうだよ、餓鬼でもなったらな」
そうなればというのだ。
「もうな」
「餓鬼なんだ」
「そうなるだろ」
「まあ腐り過ぎてね」
タロも言われて頷いた。
「腐れ外道になったら」
「人間じゃないよな」
「心が化けものになったら」
その時点でというのだ。
「もうそれでね」
「人間じゃねえな」
「そうなるね」
「そうだろ、カーミラさん見てな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「思ったことなんだ」
「ああ」
実際にというのだ。
「おいらもな」
「そうなんだ」
「ああ、それでな」
ライゾウはさらに話した。
「カーミラさんの心はな」
「人間だからだね」
「身体が吸血鬼ってだけでな」
ただそれだけでというのだ。
「その実はな」
「人間だね」
「そうじゃないかってな」
「そうだね、言われてみるとね」
タロもそれはと答えた。
「ライゾウの言う通りだね」
「そうだな、それじゃあな」
「これからはね」
「カーミラさん認めていこうな」
「そうしようか、僕達も」
「ご主人達もそうしてるしな」
二匹で話した、彼等もカーミラのことがわかってきたのだ。そうした話をしながら食べることも楽しんでいた。
第五百七話 完
2022・9・8
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