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レーヴァティン
第二百六十八話 神託が教えたことその十四

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 魔神は去った、悪意に満ちた気配は消え去った。英雄はこのことを確認してから仲間達に対して言った。
「そう言っているが」
「その通りでござろう」
 智が応じて来た。
「この場合は」
「あの神は実際にか」
「拙者達とクトゥルフの戦いには関わらないでござる」
 その様にしてくるというのだ。
「例え嘘を言う神であっても」
「神には誇りがある」
「神としてのそれが」
「人も誇りがあるが」
「神のそれは遥かに大きいでござる」
「そうだな」
「絶大な力に」 
 それに加えてとだ、智は英雄に話した。
「誇りでござる」
「そうだな」
 英雄もその通りと頷いて応えた。
「まさに」
「その二つがあってでござる」
「神は神となる」
「そうでござる」
「なら神が誇りに反することを行うか」
「それはないでござる」
「断じてな」
 英雄も言った。
「天地がひっくり返ってもな」
「神は己の埃を捨てないでござる」
「その誇りに誓った」
「ならでござる」
「ナイアーラトホテップはクトゥルフとの戦いに加わらない」
「そうでござる」
 間違いなくというのだ。
「そうするでござる」
「そうだな、ではな」
「拙者達はでござる」
「ナイアーラトホテップは気にしなくていい」
「左様でござる」
「ではクトゥルフについてだ」
 あらためてだ、英雄は言った。
「調べていこう」
「承知したでござる」
 二人で話した、そうしてだった。
 二つの浮島の異邦人達は自分達の究極の敵について調べていった、遂に最後の戦いがはじまろうとしていた。


第二百六十八話   完


                  2022・8・1
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