第二百六十八話 神託が教えたことその十一
[8]前話 [2]次話
「必須や」
「まさにな、ではな」
英雄はナイアーラトホテップについて調べようと決めた、だが。
ここで突如として謎の声が彼等に嗤いつつ言ってきた、それはまさに嘲笑するものであり実に気に障るものだった。
その嗤い声を聞いてだ、英雄は言った。
「ナイアーラトホテップか」
「わかったか」
声は嘲笑しつつ応えた。
「流石と言うべきか」
「嘲笑する者」
英雄は声に対して返した。
「そう言うからな」
「我の仇名の一つだな」
「他にもあったな」
「這い寄る混沌等だな」
「顔のないスフィンクスもあったな」
「左様、我の呼び名は多い」
仇名はというのだ。
「実にな」
「そうだな」
「そして嘲笑でか」
「わかった、それで何の用だ」
声に対して問うた。
「一体」
「貴様等が我の話をしているので言いに来た」
「そうか」
「我は動かぬ」
ナイアーラトホテップは言った。
「この度はな」
「クトゥルフに加担しないか」
「あ奴はその力を全て解放してだ」
その様にしてというのだ。
「貴様等を迎え撃つ」
「そう考えているか」
「貴様等がクトゥルフに勝てば世界は元に戻る」
このことも言うのだった。
「確実にな」
「嘘ではないか」
「我が貴様等に嘘を吐くか」
「貴殿は悪意に満ちた知性の持ち主だ」
それ故にというのだ。
「そうしたことも行うな」
「時としてな」
神は答えた。
「そうする、しかしだ」
「今はか」
「嘘は吐かない」
「そうなのか」
「そうだ、我を信じろとは言わないが」
それでもというのだ。
「我は自分に誓っている」
「嘘は吐かないとか」
「神が自分に誓うのだ」
「それは絶対のことだな」
「あのオーディンですら守ることだ」
北欧神話の戦いと嵐の神であり主神でもある、不和と策略を好みかつ約束をよく破ることでも知られている。
「それならばだ」
「貴殿もか」
「守る」
自分にした約束はというのだ。
「確実にな」
「だから言うか」
「そうだ、私は今は嘘を吐かない」
「そうしてか」
「そうだ、私はこの度はな」
「動かないか」
「貴様等の相手はクトゥルフだけだ」
この神のみというのだ。
「その他にはだ」
「誰も来ないか」
「ラグクラフトの神々は見ているだけでだ」
クトゥルフ以外の神々はというのだ。
「他の信仰の神々もだ」
「同じか」
「貴様等は試されているのだ」
神は英雄達に話した。
「今まさにな」
「俺達が世界を救うかどうかをか」
「そうだ」
その通りだというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ