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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第135話:残酷で、だけど優しくて
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り、クリスの窮地を救うべく動いていた事に。
「フンッ!」
「ヤァッ!」
「がぁっ?! こ、コイツ等ッ!?」
透に刃が受け止められて動きを止めたハンスに、鎌と丸鋸が襲い掛かる。弾き飛ばされた拍子に剣から手を放してしまい、吹き飛ばされたハンスをレイアが受け止めた。
「ハンスッ! 大丈夫か?」
「ぐっ!? あぁ、心配ない。それよりアイツら……!」
「1人じゃないデスよ」
「……未熟者で、半人前の私達だけど。傍に居れば誰かを一人ぼっちにさせない位は……」
「何より、クリス先輩には透先輩が居るじゃないデスか」
「信じてあげてください。透先輩の事」
呆然としているクリスの前で、満身創痍の透が立ち上がる。立ち上がった透が振り返ると、クリスはまだ呆然と座り込んでいるので彼は小さく笑うと膝を下ろして目線を合わせ、彼女の額にデコピンを一発お見舞いした。
「ぅあっ!? え、透?」
混乱した様子のクリスに、透はどこか楽しむような笑みを浮かべると今度はそっとクリスの額に自分の額をコツンと優しくぶつけた。
そして再び立ち上がると、変身せずに切歌と調の前に出た。無防備な姿で前に出る透に、流石に危険だと2人が手を伸ばす。
「透先輩ッ!?」
「危険です、下がってッ!!」
警告する2人だが、透は振り返ると口元にそっと人差し指を当てるだけで下がることはしない。
そして精神統一する様に一度目を瞑り大きく深呼吸すると、目を開けハンスを見据えて手を差し出し、指先をクイクイッと引いた。
それは誰がどう見ても相手を挑発する仕草に他ならず、温厚な彼が敵とは言え相手に対してそんな事をするとは思っていなかった切歌と調は思わず互いの顔を見合わせた。
「テメェ、上等だッ!」
死に掛けの魔法使いに挑発されたとあっては、ハンスも黙ってはいられない。今度こそトドメを刺してやると、愚直にも真正面から接近し剣を振り下ろした。
「ハァッ!!」
変身しているならいざ知らず、生身を晒してこの一撃を耐えられるはずがない。先程は素手で受け止められたがあんなのは偶然だと、自身の勝利を微塵も疑わずに透を切り裂こうとした。
その剣が、掲げた透の腕により弾かれた。
「何ッ!?」
それはあり得ない光景だ。メイジに変身していればともかく、生身でこの一撃が受け止められる筈がない。
信じられないと透を見ていたハンスは、ある違和感に気付いた。透の姿に、何かが重なっている。
「何だ、あれは……?」
ハンスが凝視していると、次の瞬間透の姿に重なっている”何か”が浮き上がる様に姿を現した。
それは一言で言えば首の無い騎士。重厚な鎧を纏った首の無い騎士が、魔力で体を形作り半透明な体で透の
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