暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第135話:残酷で、だけど優しくて
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追い詰めていった。

 透の影からクリスが飛び出しレイアに至近距離から発砲するかと思い身構えれば、透に手を引かれて全く思いもしない方向から銃撃され。

 クリスを狙ってレイアが攻撃すれば、出し抜けにしゃがんだクリスの頭上を透の剣が通り過ぎレイアを両断しようとする。

 言葉一つなく、にも拘らず互いに次の相手の行動が分かっているかのような行動に、レイアは終始圧倒されていた。

 そんな攻防の最中、クリスと透は一瞬目配せする。その一瞬で互いの意志を伝えあうと、透は大振りに剣を振り上げレイアの前に飛び出した。

「派手に隙ありだッ!」

 それはこの攻防の中で、初めて透が見せた大きな隙。そこを見逃すレイアではなく、振り下ろされる剣を弾きお返しに一撃を唯一新たな鎧の無い頭部にお見舞いしようとした。

 この瞬間、レイアは意識を完全に透に持って行かれていた。それが2人の狙いだった。透にばかり目が言っていたレイアは、横合いから迫っていたクリスへの反応に遅れた。

「はっ!?」

 レイアに迫る最中、クリスはアームドギアを大型のライフルに変形させた。この至近距離でそんなライフルを使うのかと目を見開くレイアだったが、クリスは大型のライフルを持ち帰ると思いっきりフルスイングした。

「ライフルをッ!?」

 振るわれたライフルは透の後頭部に迫り、透ごとレイアの頭を殴り抜くかと思われた瞬間、透が頭を下げレイアの頭だけが殴られた。

「殴るんだよッ!!」
[RED HOT BLAZE]

 ライフルを鈍器として使った事、そして何より、透とのコンビネーションによりレイアは見事に頭を殴りぬかれた。

――先輩と後輩の絆も、透との愛も、全部世界がくれたもの……――

――世界は大切なモノを奪うけれど……、大切なモノをくれたりもする……そうかッ!――

 一切の言葉も無く互いに互いを分かり合い、息の合った動きを見せる透とクリス。その心地いい連携の最中、クリスはとても大事な事にようやくたどり着いた。

――パパとママは、少しでも貰えるものを多くする為、歌で平和を……――

 父と母が本当にクリスに伝えたかったこと、それに漸く気付く事が出来た。それに気付かせてくれたのは、大切な後輩達と愛する恋人。

 クリスは自分が世界で1人でない事と、世界はこんなにも素晴らしいのだという事を知りつつこの戦いに決着をつけるべく動いた。

「あああああああああッ!!」
[MEGA DETH FUGA]

 放たれた大型ミサイルの一発を、レイアはトンファーで叩き落す。爆発による炎と煙で視界が遮られる。

「くっ!? 諸共に巻き込むつもりで――ッ!?」

 視界が一切利かなくなり、レイアは動きを止めた。

 だが次
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