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レーヴァティン
第二百六十八話 神託が教えたことその六

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「人だ」
「全ての種族が混在して過ごしているっちゃ」
「この世界でな」
「そうした世界っちゃ」
「まさにな、そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「海にえんのある種族もいる」
「しかしっちゃ」
「クトゥルフの軍勢は違うな」
「人ではないっちゃ」
「モンスターになる」
 区分で言うと、というのだ。
「深き者共だ」
「そういうことっちゃ」
「ならだ」
 さらにだ、英雄は言った。
「連中のことを調べていくか」
「ラグクラフトの神々ですが」
 謙二が言ってきた。
「彼等のことはです」
「文献にもあるな」
「はい」
 その通りだというのだ。
「幸い」
「そうだな」
「その軍勢もです」
 クトゥルフのというのだ。
「実にです」
「よくわかるな」
「はい」
 はっきりとした返事だった。
「我々も」
「ならよい、それならな」
「これからは」
「そうだ、連中のことをだ」
 クトゥルフそして彼の軍勢のことをというのだ。
「調べていく」
「そうしますね」
「そうする、だがな」
 英雄は難しい顔で言った。
「まさかだ」
「魔神がクトゥルフだったとは」
「全くだ」
 こう謙二に話した。
「思いもしなかった」
「そうですね」
「神託を伺ってな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「知るとは」
「思いもしなかった」
「答えはです」
 謙二は静かな声で英雄に語った。
「実はそこにありますが」
「どれが答えとはだな」
「わからないということがです」
「あるのだな」
「はい、私も今までです」
 神託を伺うまではというのだ。
「まさか魔神がクトゥルフとはです」
「思わなかったな」
「はい」 
 英雄に素直に答えた。
「まさかでした」
「そうだったな」
「真理は難しいと思いがちですが」
「実は明快でだ」
「簡単なものですが」
「それと共にだな」
「はい、答えも」
 今回の様なことはというのだ。
「実は既にあり」
「それが何かをわかることがだな」
「困難な場合もあります」
「そうだな、そのこともわかった」
「はい、ですが答えがわかれば」
「後はその答えをだ」
「調べていくだけです」
「そうだな」
「さて、クトゥルフを調べていって」
 奈央も言ってきた。
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