第二章
[8]前話
「わかりやすいみたいだな」
「症状出るの」
「変に狂暴になったりな」
「だから狂犬病ね」
「それに化け猫みたいに油だってな」
「舐めるの」
「そして水もな」
これもというのだ。
「怖がるんだ」
「お水もなの」
「そうした症状が出るからな」
「わかりやすいのね」
「ああ、だからふわりがな」
予防接種を終えて今は自分の家であるケージの中に自ら入って寝転がりだしている彼女を見て話した。
「泳いだり水を飲むのも怖がったらな」
「狂犬病ね」
「そうなってるかもな」
「そうなのね」
「日本には今は狂犬病はないがな」
昭和三十二年以降そうなっている。
「将来予防接種をさせていない奴のせいで出たり海外だとな」
「まだ狂犬病の生きものいるわね」
「そうだからな」
それでというのだ。
「そうした風な生きものがいたらな」
「注意することね」
「近寄ったら駄目だ」
そうした風な生きものがというのだ。
「注意しような」
「そうね、絶対に」
「それで本当に予防接種はしないと駄目だ」
妻にふわりを見つつ話した。
「なってからじゃ遅いんだ」
「なったらほぼ確実に死ぬから」
「だからな、そのことはな」
「本当に注意ね」
「ああ、ふわりもいいな」
予防接種の時は怖がって硬直していた彼女自身にも言った。
「予防接種はしていくぞ」
「クゥ〜〜〜ン・・・・・・」
ふわりは嫌そうだった、だが彼女が幾ら嫌でもだ。
文太は百合子にまた連れて行くと言った、妻もそうしてと答えた。狂犬病のことを知っているが故に。
泳がない時は 完
2022・11・23
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