第二章
[8]前話
「大丈夫よ」
「そ、そうですか」
「ええ、あと君もっと周り見て落ち着いたらよ」
柚子は真っ赤になってぐでんぐでんになっている顔で話した。
「かなり違うから。いいわね」
「周り見てですか」
「落ち着くの、真面目で事前の準備も勉強してるから」
だからだというのだ。
「後はそうしたらよ」
「かなり違いますか」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「これからは。いいわね」
「はい、周り見て落ち着いていきます」
「そうしなさいね」
こう言ってだった。柚子は後は烏龍茶を飲んでつまみを楽しむだけだった。だがこの時の彼女の一言でだ。
関はいつも周りを見て落ち着いて仕事する様に心掛けた、すると。
見る見るうちに結果を出して社内でもホープと言われた、それで柚子にも言われた。
「頑張ってるわね」
「先輩に言われた通りにしたらです」
「私?」
「はい、飲んだ時に言われましたよね」
課の飲み会でのことを話した。
「それを守ってです」
「私何か言ったかしら。お酒弱いから」
柚子は眉を顰めさせて答えた。
「ちょっとね」
「覚えてないですか」
「ええ、まあ兎に角ね」
「今の僕はですか」
「いい感じよ、このままいっていってね」
「わかりました」
関は柚子に明るい笑顔で応えた、そして。
後日彼女が結婚して結婚相手の取引先の係長からこう言われた。
「お酒に弱くてすぐに酔い潰れるけれど」
「それでもですか」
「そうした時にこそいいこと言うからね」
それでというのだ。
「頼れるよ」
「そうなんですね」
「仕事を離れると凄く優しいし繊細で小心でね」
彼は妻のことをこうも話した。
「守ってあげたくなるよ」
「そ、そうですか」
「うん、お料理も上手だし素敵な奥さんだよ」
これには関も驚いた、だが柚子は結婚してからも働いていたがそこでは厳しくて怖いままだった。関はそんな彼女の一面を聞いてもこのことは信じられなかった。しかし酔い潰れた時の一言は聞いていった。
怖い女性先輩に言われて 完
2022・11・22
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