第二章
[8]前話
実は何としても出勤して忙しい課の為に働きたかった、だが大島にどうしてもと言われたのでだった。
大人しくすることにした、それで彼に答えた。
「全力で治します」
「そうするんだ、いいな」
「はい、病院行ってお薬もらって」
「暖かくしてな」
「熱いもの食います」
「身体にいいな」
大島は言い加えた。
「そうするんだ」
「そうします」
強い声で頷いてだった。
彼は電話を切った、大島はその後で課の部下達に事情を話して彼等にも言った。
「いいか、皆も体調壊したらな」
「その時は休むことですか」
「忙しくても」
「そうすることですか」
「無理はするんじゃない」
絶対にというのだ。
「それで余計に体調壊したら元も子もないからな」
「だからですね」
「そうした時は休む」
「そうするんですね」
「若し来ても帰らせるからな」
体調が悪いのに出勤してもというのだ。
「いいな、くれぐれもな」
「無理はするな」
「万全な体調で働け」
「そういうことですね」
「そうだ、いいな」
こう言ってだった。
大島は仕事をはじめた、この日と次の日清水は休んだがその次の日は出勤してまず大島の席の前に来てだった。
謝ろうとしたが大島に先に言われた。
「誰だってあることだ」
「だからですか」
「謝る必要はない」
大島は強い声で彼を見て言った。
「それよりも体調は万全だな」
「はい、すっかり」
「ならいい、今日からまた頼むぞ」
「わかりました、それじゃあ」
「そうだ、いいな」
「頑張っていきます」
清水は大島の言葉に頷き自分の席に戻って仕事にかかった、大島はもう何も言わず自分の仕事にかかった、だが。
課の者はそんな彼を慕う様になった、清水とのことを見てどういう人間かわかったので。そして社内でもいい上司として評判になったのだった。
熱があるなら帰れ 完
2022・11・20
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