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Fate/WizarDragonknight
エピローグ
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つ、貴女の自宅は、ムーンキャンサー……イリスによって、マンションごと破壊されてしまったこと。チケットの行先は、貴女のご両親のところです。話もつけてあります」
「……どうやってそれを」

 アカネの疑問に対し、鈴音はリゲルを見上げた。
 髪を靡き上げたリゲルを見ながら、鈴音は説明した。

「私のサーヴァントは情報戦においては、おそらくこの聖杯戦争で最強でしょう。貴女の身元を割り出し、学校関係者を装って話を付けました。アンチ(あなたの怪獣)も、身寄りが無くなった弟分だと。ご両親も、快く承諾していただきました」
「フン……」
「二つ。フェイカーとムーンキャンサー、二つのサーヴァントの令呪という膨大な魔力を秘めたあなたが、他の参加者に狙われないとも限らない。全て使い果たしたならまだしも、ほとんど使い切っていない貴女は、他の参加者からしてみれば、ノーリスクの魔力の保存食ですから」
「俺がいるぞ」
「そうですね。イリスとの決戦前に力尽きた貴方が、今後現れる化け物じみた能力者が多いサーヴァント、何人に食い下がれるかは見物ですね」

 鈴音の一言で、アンチは口を閉ざした。
 そんな怪獣の少年を見ないまま、鈴音は三本指を立てた。

「そして三つ目にして、最大の理由。令呪を残したままサーヴァントを失い、生き残ったマスターが、新たなサーヴァントと契約する事例がありました。参加者である時点で、私たちも、そこのセイヴァーも……誰もが、自らを有利にするために動きます。これ以上、余計な敵を増やしたくないんですよ」
「……」

 その一言で、アカネは事を理解したようだった。
 トドメとばかりに、鈴音は最後に付け加えた。

「貴女が両親との間にどのような呵責があったのかなんて興味もありませんし、知りたいとも思いません。ただ、貴女には、当たり前の生活を送ることができます。聖杯戦争からドロップアウトする権利があるんです。ならば一度、再スタートを切ることだってできるはずですよ」
「お迎えが来たわよ」

 リゲルが語りかけた。
 友奈が見上げれば、駅の電光掲示板に、見滝原発、隣町である風見野へ向かう電車のアナウンスが記されていた。
 風見野から、新幹線に乗れば、遠く離れた地で、アカネは両親とともに暮らすこととなる。
 持ち物を何一つ持たないまま、アカネは改札へ向かう。
 アンチもアカネの後ろを付いて行こうと、一歩踏み出す。
 二人は一度友奈たちに振り返り、そのまま改札の中へ姿を消した。
 それを見送った友奈は、誰に聞かれることもなく、呟いた。

「今度は……助けてあげられたよ……千翼(ちひろ)くん……」



次回予___



 ラビットハウスの呼び鈴が鳴る。

「いらっしゃいませ」

 ハルトはいつも通り
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