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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
のほほん伝説
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まったという顔をして面倒そうに額を指で押さえながら言いました。

「まったく……出席番号順で一人ずつ各グループに入れ!」

 日本には『鶴の一声』ということわざがあると言いますがまさしくそれでしょう。今まで統率性の無かったクラスの皆さんが一斉に分かれます。その時間1分ジャスト。

「最初からそうしろ。馬鹿者どもが」

「ええと、いいですかーみなさん。これから訓練機を1班1機取りに来てください。数は『打鉄』、『リヴァイヴ』が3機ずつですから、好きな方を班で決めてくださいね。あ、早い者勝ちですよー」

 珍しく皆さんが山田先生の声に何も茶々を入れずに従っています。やっぱり実力を見せるというのはそれだけ自信を生むんでしょうね。

「ではこの班は『リヴァイブ』ということでいいですね?」

『異議なーし』

「ないよー」

 最後誰? ってのほほんさん……布仏本音の略でのほほんさんらしいです……でしたか。妙に間延びしてたから誰かと思いましたよ。
 何人かに手伝ってもらって『ラファール・リヴァイブ』を持ってきます。
 ちなみにISは専用機じゃないと待機状態には持って行けないので訓練機などではカートで運ぶわけです。
 そしてそのカートは何と人力。しかも重量が滅茶苦茶なんですからここは動力が欲しいところですよね。

『各班長は訓練機の装着を手伝ってあげてください。全員にやってもらうので、設定でフィッティングとパーソナライズは切ってあります。とりあえず午前中は動かすところまでやってくださいね』

 ISの開放通信で山田先生の声が聞こえました。
 
「じゃあ出席番号順で装着と起動と歩行まで行きましょう」

『はい!』

「は〜い」

 のほほんさんがいると場が和むというか緊張感がなくなるというか……これも一種の才能ですね。
 ちなみにISの装着までは皆さん授業でやっているので問題なく行けるのは確認済みです。

「えっと、一番出席番号が早いのは……」

「ん、私」

「岸原さん。じゃあどうぞ」

 岸原さんから順に装着、起動、歩行、解除まで問題なく進みます。ちなみに一夏さんの班が途中でISが立った状態で解除してしまうというアクシデントもありました。そういう場合は運んでもらうか踏み台を探すしかないので一夏さんお姫様抱っこで運んでいましたが……
 周りから怨嗟、憎悪、嬌声と言った声が上がったのは私の気のせいじゃないはずです。

 最後はのほほんさんですね。

「カルカルー、よろしくねー」

「は、はあ……では装着から……」

 カルカル。これがのほほんさんが私につけたあだ名です。まあ……いいです。もう慣れました。
 周囲を見るとボーデヴィッヒさんの班以外はほぼ最後の人のようですね。
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