1章「新しい旅先」
8話「カゲギシ砂丘 綺麗な砂の主」
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ないと間に合わないんだぞ。お前、分かってるか?」
「分かってます。だから、お願いします」
マナオは、ヒョウリに頭を下げた。それを見て、ヒョウリは聞いた。
「・・・命の恩人だからか?」
「確かに、私は、あの人に助けられました。けど、それだけじゃないです」
「ん?」
「サトシ師匠みたいに、困ってる人が居たら助けるのは、良い事です。正しい事です。それで、私も・・・だから、師匠に賛成したんです」
「・・・」
すると、横からサトシも、両手を合わせて頼んできた。
「なぁ、頼むよ。せめて、今日1日。今日1日だけでも」
「お願いします」
ヒョウリは、二人に頼まれて暫し黙った。
「たく。・・・今日1日だけだぞ」
その言葉を聞いて、二人は喜んだ。
「ヒョウリ」
「ありがとうございます」
「その変わり、俺の指示に従えよ」
「「ん?」」
三人がそうやり取りをしていると、ヤマカが近づいて来た。
「あの君たち」
ヒョウリは、ヤマカさんへ向いて話した。
「すいません。ヤマカさん、もういいです」
「あ、そうかい。もしかして、用事とかあるじゃないか。なら、無理せず」
「今日一日だけですが、ヤマカさんを手伝います」
「そ、そうかい。何か、すまないね」
「いいえ。うちには、馬鹿が2人いますが、宜しくお願いします」
そうヒョウリが言った言葉に、後ろの二人は軽くイラとしたが、すぐに我慢した。すると、ヒョウリは、ヤマカに話しかける。
「ヤマカさん」
「ん?」
「過去にあった被害内容と調査結果、見せて下さい」
あれから、30分近くが経過した。サトシ達は、ヤマカさんに案内されて砂丘近くにある彼の管理人用の小屋を訪れていた。
「彼、何者だい?」
ヤマカは、サトシ達3人にお茶を出していきながら、サトシとマナオにそう訪ねた。
「え、えぇと」
「俺たち、その・・・あいつに出会って、まだ10日も経ってなくて」
「ピカァ」
マナオとサトシは、若干半笑いをして、そう答える。
「そうかい。それにしても彼、凄いね」
彼らが見ているヒョウリはというと、ここ1ヶ月の被害や調査結果などのまとめた事件資料を、すぐさま目を通していた。資料を1枚ずつ見て、何かをブツブツといいながらメモを取っては、砂丘の地図に何かを書いたりして、時には自分のカバンから取り出した小型のパソコンを使って、キータッチで何かを入力していく。
「一体、何をするんでしょうね」
「分からない」
サトシとマナオは、ただヒョウリの作業を見ながら、ヤマカの入れた茶を飲んで過ごした。それから、更に10分が経過した時だった。ヒョウリは、第一声を上げた。
「よし。罠を仕掛けよう」
サトシとマナオは、首を傾げた。
「「罠?」」
「ヒョウリくん。具体的に、どんな罠を」
ヤマカは、ヒョ
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