1章「新しい旅先」
8話「カゲギシ砂丘 綺麗な砂の主」
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「だったら、簡単な話じゃない」
「「?」」
「ポケモンをゲットするメカを作ればいいのよ」
「「メカ?」」
それを聞いて、コジロウとニャースは暫し黙ると、再びムサシに問いかけた。
「ちなみに、ムサシ。そのメカは」
「誰が用意するんだにゃ?」
二人に、そう聞かれたムサシは、両手の人差し指を構えて、真顔でこう答えた。
「あんたとあんた」
2つの指先は、コジロウとニャースへ向いた。
「「げぇ」」
「げぇって何よ。あんた達以外にいないでしょ!」
ムサシは、そう言うと菓子が空っぽになった袋を、ポイッと後ろへ投げてしまった。すると、彼らの側にあった砂の山からキラリと何かが光った。その光は、まるで彼らを砂の中から見ているようだった。
あれから、サトシ達はヤマカと話をしていた。
「実は、ここ1ヶ月の間で、妙な事が起きてねぇ」
「妙な事?」
サトシは、ヤマカに聞いてみた。
「実は、この観光スポットに訪れた人が、突然落とし穴に落ちたとか。他にも、何かに砂をいきなり掛けられたり、持っていた荷物を取られたり、一緒にいたポケモンが何かに攻撃をされたりという被害が続出してねぇ」
「そんなことが」
すると、マナオは先程の(すなじごく)の事を思い出す。
「もしかして」
「あぁ。さっきの(すなじごく)も、似た被害があったよ」
マナオの言う事を、察して肯定した。
「ここは、地元民をはじめ、いろんな街や地方から観光客が来る人気スポットだから、こういう事件が続くと、変な噂は出るし、観光客が減ると町にも影響が出る。そこで、町長から直々に頼まれて、私が調査をする事にしたんじゃ」
「そうなんですか」
「そこで、何か分かったんですか?」
ヒョウリが、そう聞いてみる。
「あぁ。この2週間の間で、調査した結果。どうやら、野生のポケモンの仕業らしいんだ」
「さっきのは、ポケモンのわざ(すなじごく)に間違いない。となると、おそらく野生のじめんタイプのポケモンが犯人ですね」
「あぁ。私もそう思う」
ヒョウリの推測に、ヤマカも同意する。
「最初、町の住人達は、この砂丘に住まうポケモン達の誰かではないかと疑った。だが、長年ここを管理している私には、そうは思えんかった」
「なぜ?」
「ここにいるポケモン達を、よく知っているのもあるが、彼らには人間に対して強く敵視したりしない。それに、強くもないのだ」
「強くもない?」
妙な言葉に、ヒョウリは聞き返す。
「1週間前、町の若いトレーナー達が、集団になって犯人を捕まえにやって来たんだ。すると、犯人が姿を表す事もなく、全員が返り討ちに遭ってしまった。結果、トレーナーやポケモン達は、怪我をして入院することに」
「そ、そんなに強いですか?」
マナオは、ヤマカの説明を聞いて少しビビリ、そう聞いた。
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