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<ポケットモンスター トライアル・パレード>
1章「新しい旅先」
8話「カゲギシ砂丘 綺麗な砂の主」
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あ、また逃げた』
『くっ、逃げさ無いわよ。ほら、吸引』
『ポチッとにゃ』
ニャースがボタンを押して、吸引を開始した。このメカの主力武器となる吸引マシンは、メカ内部にある大型モーターを回転させて、吸引口から空気や物質を吸い込んでいる仕組みだ。ロケット団が、吸引開始を見てヒョウリが、イヤホンマイクで合図を出した。
「そろそろだぞ」
それから、数秒程でヒョウリの狙い通りの事が起きた。
ドガァァァンとメカの内部で爆発が起きたのだ。
『うわぁ』
『ちょ、何よ』
『分からないにゃ』
『あぁ、吸引モーターが爆発したぞ』
『にゃにぃ!』
突然の内部爆発に驚くロケット団の声が、スピーカー越しでヒョウリの耳へ届く。
「よし、計画通り」
彼が考えた作戦。それは、既に入っているピカチュウと、後からわざと中入れたラグラージ。その二人の電撃と水によって、電気分解での水素と酸素を発生させた。気体を発生させた場所は、サトシやポケモンが閉じ込められた空間でなく彼らを吸い込んだ吸引装置、それと繋がる排出口だった。排出口へ水と電気を送り、中で電気分解による酸素と水素が充満していく。それを、自分たちのへそれが来ないようにとラグラージの(れいとうビーム)による氷漬けで密閉。あとは、ハッサムで挑発させたロケット団が、捕まえようと吸引装置を動かせば。配管で充満させた水素と酸素が吸引モーターの方へ行くと、モーターの熱により一気に引火した。密閉空間での高濃度の燃焼しやすい酸素と水素に熱が加わったことで、大爆発が起きたのだ。そして、どんな硬い物質でも内部からは脆い構造になっている事、それによりロケット団のメカは中の爆発に耐えきれなかったのだ。最後に、(れいとうビーム)で密閉した事で、爆風や熱はサトシやポケモン達へ届く事がなく。彼らは、ほぼ無傷だった。
先程の爆発で、メカの一部の装甲に穴が空いた。その穴から中から何かが顔を出した。
「外だ」
サトシだった。
「うわぁ、高ぇ。ここから、皆降りるのは無理だな」
サトシは、真下を見て、そう言った。彼らがいるのは15m程の高さだった。
『あぁ、大変にゃ』
『何よ』
『さっきの爆発で、装甲の一部に穴が』
『それに、捕獲用の部屋にも穴が空いた。このままじゃあ。ポケモン達が逃げるぞ』
『なんですって!』
ロケット団達は、慌てて何とかしようとしてメカの動きが止まった。すると、ダメージを受けて倒れていたシロデスナが現れて、(すなじごく)でメカの足場が沈めていった。
『ちょっと、どうなってんの』
『すなじごくだにゃ』
メカは見る見る沈んでいく。それから丁度半分程が埋まった所を。
「デスナ!」
シロデスナが、彼らに合図を送った。地面である砂の高さがサトシ達と1m程の差まで縮まったからだ。
「よし、みんな。今のうちに脱出だ」
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