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東方project 秋姉妹 〜人恋し神様〜
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「え!? 」

奥のほうにいた妖怪はあの時の妖怪だったが、良く見ると私達より小さな子供の妖怪だった。
あの時ほどの威圧感はどこにもない。私達が力を取り戻してるからだろう。
そして穣子のよくわからない説教が始まった。

「・・・わかった!?もう人も葡萄も食べちゃ駄目だよ? 」

「そーなのかー」

「でも人を食べるくらいならここの葡萄を食べていいからね。人は食べちゃダメ! 」

「そーなのかー」

「そして私たちと遊びたくなったらまたおいで! 」

「そーなのかー」

絶対にわかっていない。だけど、いつの間にか穣子は妖怪と仲良くなっていた。
本来の力を取り戻している自信からか、いつも以上にはしゃいでいた。
妖怪が帰っていくと穣子が村へ向かおうと言い出した。
近づくにつれて人里の方から騒がしい声がする。太鼓や笛の音も聞こえる。

「太助が毎年収穫祭として私達に祈りを捧げるお祭りを開催してくれてるんだよ!私達も見に行こうよ!皆驚くよ!太助も絶対喜ぶ! 」

「でも私たちが姿を・・・」

「年に1回だしいいよー。ブレーコーだよお姉ちゃん! 」

「また変な言葉覚えているわね。でも、行きましょうか。私達のお祭りなんだし」

「決まりだね!お祭り終わったら太助を誘って葡萄食べようね! 」

もう叶うことが無いと思っていた、約束。
今では、里の人々は秋になると紅葉を眺め、多くの作物で心を満たされていると穣子から説明された。
人々の思いはこの力いっぱいに葉を広げている紅葉を見ていればわかる。
誰もが私達の存在を認め、大切に思ってくれているのだと。

私は穣子の手をもう一度しっかりと握りなおした。

また妹と一緒にいれる幸せをかみ締め、私達は人里へ向かった。

私達姉妹はこれから、もう離れることはないのだろう。
そして、私は彼から教えてもらったのだ。人を愛し方を。
だから私達は人々と共に、ずっと歩いていけると思う。
私達姉妹も、人間も、この世界で生きていき、互いが互いに必要としているのだから。








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