三つの光
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
イリスの感情を、可奈美達が読み取ることは出来ない。
だが、見滝原を揺らすイリスは、明らかに怒りを露わにしているように見えた。
よくもアカネを奪ってくれたなと、よくも邪魔をしてくれたな、と。
アカネを背負うアンチは、未だにイリスの腹の上。自らの体であろうと、例えマスターが巻き込まれようともお構いなしに、触手を打ち放つ。
「アンチ君!」
「危ない!」
友奈を追い越し、可奈美はアンチの前に回り込む。
迅位の速度でアンチの前に割り込み、襲い来る触手を斬り弾いた。
「友奈ちゃん!」
「うん!」
可奈美に続いて友奈もイリスの体を駆け上がる。
「アンチ君、大丈夫?」
「俺はいい。それよりも、新条アカネを……」
「うん」
「アカネちゃんはわたしがッ!」
友奈とともに並んだ響が、アカネを引き受けた。
「ありがとう響ちゃん! 可奈美ちゃん、こっちはもういいよ!」
「うん!」
イリスの触手を捌き切った可奈美の背後で、アンチとアカネを抱えた二人が飛び降りる。
可奈美は太阿之剣で独楽のように回転、迫る触手を引き離した。
ジャンプしながら体を捻り、着地した可奈美は、イリスの足元にある大穴を見下ろした。
「ハルトさん……」
トレギアとともに落ちていったその名を口にしながら、可奈美はその無事を祈り、イリスを見上げた。
すでにアカネを失ったイリスには、ギャオスを繁殖させる能力はない。アカネとの三度目の融合を図り、安全地帯へと離れていくアンチたちへ進もうとして来る。
可奈美はそんなイリスへ千鳥を向けた。
「みんな! ……行くよ!」
「っしゃあ!」
「うん!」
「はいッ!」
「了解!」
可奈美の掛け声に、龍騎、友奈、響、えりかは応える。
『ファイナルベント』
この戦いを終わらせる。
龍騎が持つ最大の力が発動した。
それとともに、龍騎はドラグレッダーへの舞を開始する。
両手を突き出し、同時に右へ両腕を組みかえる。
すると、イリスはその危機察知能力を発揮した。
全ての触手を、龍騎に向けている。
だが、龍騎の前に可奈美、響、友奈が立ちはだかる。
「太阿之剣!」
「我流・星流撃槍!」
「勇者パンチ!」
三人の主力技が発動する。
触手を弾き返し、そのまま三人はイリスへ飛び掛かる。
「うおおおおおおおおおおおっ!」
「だああありゃああああああッ!」
「根性おおおおおおおおおおお!」
可奈美、響、友奈の三人は、どんどんその力を強めていく。
徐々に押されていく巨大なサーヴァントは、やがて押されていく。
だが、それだけではまだイリスは倒れない。吠え、触手と口から超音波メスを打ち鳴らす。
あ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ