三つの光
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グナロク……」
三人のキャスターは、同時に……そして一斉に、唱えた。
「「「ブレイカー」」」
桃、黄、白。
三色の光は、それぞれ極太の光線となり、イリスへ発射された。
触手がまだ再生中のイリスに、それを防ぐ手立てなどない。
「___________」
大きく上がるのは、イリスの悲鳴。
しばらくイリスは耐えていたが、それでもキャスターの光線は底が知れない。その巨体が耐えられる限界を突破するまで、時間はかからなかった。
イリスの体は、三つの光線に満たされ、内側から破裂、爆発。見滝原中央駅の全てを炎で充満させ、あらゆるガラスが砕け散っていく。
「皆さん!」
皆の前に立ち、その盾で衝撃を防いでくれるえりか。
それでも可奈美たちは全員伏せて、来る衝撃から身を守る。
見滝原中央駅と呼ばれる場所が、大きく震えた後、バラバラに落ちていくのはイリスの破片。その音に気付いて、可奈美は顔を上げた。
イリスの破片の雨の中、音もなく降り立つキャスター。
一人に戻った彼女は、肩に付着した汚れを振り払い、イリスの肉片を拾い上げた。無造作にそれを放り投げると、それは白紙を開いた傍らの本に吸い込まれていく。
やがて、白紙のページには、イリスの触手の形をしたマークが記入された。
「収集完了」
何事もなかったかのように、キャスターは呟く。
そしてそれは。
いずれ、可奈美たちが越えなければならない敵が、より強くなったことを意味していた。
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