三つの光
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それは、可奈美たちも同じだった。
可奈美は写シが張れず、響も唱を維持することが出来ず、友奈の花びらも散り、えりかの盾もその機能を停止してしまった。
そして、イリスはまだ、戦う力が残っている。焼き切れた触手も徐々に再生を始めており、あと数秒もすれば決死のドラゴンライダーキックさえもなかったことにされてしまうだろう。
そして、生身の参加者たちへ、その口に超音波メスが準備されていく。
「そんな……ここまで来て……!」
絶望に打ちひしがれる可奈美たち。
だが。
「いや、十分だ」
その声は、キャスター。
イリスの猛攻により、数多の瓦礫の下敷きとなり、身動きが取れなくなっていたはずの彼女は、いつの間にか脱出し、イリスの頭上に回り込んでいた。天井の彼女の背後には、丁度雲間から月が浮かび上がっていた。
そして、そんな夜天の元に浮かぶキャスター。
彼女の傍らに浮かぶ本が、そのページを開いた。それが発動する魔法は。
「夜天の光に……祝福を」
キャスターが、あたかも鏡写しのように分裂していく。同じ影が、合計三人。
三人のキャスターは、同時にその赤い眼を開き、イリスを見下ろす。
それぞれ右手を突き出した彼女たちは、ただ静かに告げた。
「咎人たちに滅びの光を」
中心のキャスターの手に、桃色の魔法陣が浮かび上がる。同時に、左右のキャスターの手にもそれぞれ、黄、白の魔法陣が発生していた。
だが、距離が開いているということもあって、地上の参加者には桃色の魔法陣の詠唱しか聞き取れない。
「星よ集え。全てを撃ち抜く光となれ」
「……! これは……!」
可奈美は気付いた。
自らの体から、千鳥の力がどんどんキャスターに吸収されていくことに。
それは可奈美だけではない。
響からは、黄色い唄のフォニックゲインが。
友奈からは、桃色の花びらの形をした神樹の力が。
真司からは、鏡の破片を連想させる赤いミラーワールドの力が。
リゲルからは、青い粒子状の、ゼクスのリソースが。
その他、えりかやブライ、この場にいないウィザードや狂三、乱入したサーヴァントの力の残滓さえも、キャスターは集めていく。
「なんなの……この膨大なエネルギーは……!?」
リゲルは、残ったリソースでキャスターの魔法を分析する。
だが、その表示されたエネルギーに、彼女は目を大きく見開いている。
「貫け、閃光」
やがてキャスターの元に集まった力は、それぞれ桃、黄、白の光となり、それぞれの魔法陣を描き出す。
キャスターの色とはまた異なる色の魔法陣。それぞれの頂点に円形を描いた三角形の魔法陣から、それは放たれた。
「スターライト……」
「プラズマザンバー……」
「ラ
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