三つの光
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ちらこちらに超音波メスが突き刺さり、それは壁を、参加者を、当然今イリスを攻撃する三人の体にも強くのしかかる。
「ぐうううっ!」
「だとしてもッ!」
「なせば大抵、なんとかなる!」
三人は更に叫ぶ。
やがて、三人の力は、イリスを駅ビルの壁へ押し付ける。
大きな轟音を轟かせ、イリスはぐったりと力が抜けた。
だが、イリスの超音波メスもまた、可奈美たちに多大なダメージを与えた。
可奈美、響、友奈もそれぞれ生身に戻って倒れ込む。
「シールドレイ!」
「ブライナックル!」
だが、そこに閃く、青と紫の攻撃。
光と拳が、二方向からイリスへ注がれていく。
「ありがとうございます!」
「……フン」
えりかの感謝へ、ブライは見向きもしない。
彼はただ、手にしたラプラスソードを、イリスに向けて投影した。
「ダンシングソード!」
まさに名前の通り、ラプラスソードは生きた剣として、的確にイリスの触手の動きを弾き阻んでいく。
ならばとばかりに、イリスはその口から超音波メスを放つ。
「チッ……」
ジャンプで避けたブライは、そのまま上のフロアへ移動。
そしてそれは、イリスの目を完全に龍騎から離させることに成功していた。
「真司さん……!」
「あとは……!」
「お願いッ!」
「しゃあっ!」
役目を果たした三人に応じる龍騎。
龍へ捧げる舞を終えた龍騎は、両足を合わせて飛び上がった。
体を回転させながら、龍騎はイリスへ跳び蹴りの姿勢を取る。同時に、ドラグレッダーもまた、その背へ炎の息を吐きかけていく。
もうそれを防ぐのは無理だと、イリスも判断したのだろう。
先ほど飛行の時のも使用した、触手の間に張られる虹色の幕。それを最大限に広げたイリスは、それを無数に重ねる。
「だああああああああああああああああああああああっ!」
そして発動する、ドラゴンライダーキック。イリスの虹色の幕に命中したそれは、これまでの中で最大の爆発を引き起こす。
駅ビルが、内側から破壊されていく。
もはや壁が残っている方が少ないほどに破壊されつくした建物。
そして。
「嘘だろ……!?」
これまで、誰一人として生きて帰った者がいない、ドラゴンライダーキック。
その触手を犠牲にすることで、イリスは生き残っていた。
だが、龍騎の攻撃によって、イリスの触手は全て焼き切られている。その再生能力をもってしても、未だに完治には時間がかかるのだろう。
「こうなったら……うっ!」
「真司さん!」
もう一歩踏み出そうとした龍騎だが、倒れ込んでしまった。龍騎はそのまま、その身を鏡のように砕かれていき、真司に戻ってしまう。
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