フェアリー・ダンス編
新世界編
決断
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「初心者狩り」
アルセが吐き捨てるように言った。その手ては怒りのあまり震えていた。
「ちょうど、ALOのユーザーが増えてきて領主選出やら領土防衛やらが本格化してきたのもその時期さ。分かりやすく言うと、力が全ての戦国時代さ」
「なるほど。で、そいつはその被害者って訳か……」
「そう。ただ、そんな生易しい言葉で片付けられるような。事件じゃ無かった。……《無限キル》プレイヤーの蘇生に莫大なMPや高価な触媒が必要になったのもこれが原因さ」
「……たしか、それまでは簡易の蘇生ならそんなにかからなかったんだよね?」
アルセはこく、と頷くと手に持った酒をぐいっと飲んだ。
「ああ。話を戻すと、ヴィレッタはサラマンダーに捕まって牢屋に幽閉された挙げ句、殺されちゃあ蘇生されってんのを繰り返されたのさ。ちょうど、『ゲーム内で女性プレイヤーを殺すのは最大の快楽』とか言ってたやつらが大勢居たしね」
「……何処にでもいるんだな。そういうやつら」
「……まさか、SAOでも?……それは流石に……」
「いや、居たんだよ。殺したら本当に死ぬと分かってて殺したやつらが大勢。殲滅作戦が提案されるぐらいな」
「「…………」」
「いや、すなまかった。続けてくれ」
「サラマンダーのそう言った仕打ち……いや、他種族にも居たな。とにかく、そういった行為が露見したのは些細なことだった」
何事も悪事は隠し通せることではない。大方、善良なサラマンダーのプレイヤーが見かねてGMに突き出したのだろう。
「あたしが胸くそ悪いガルシアにキレてサラマンダー領に殴り込みに行くと、まあ、あるわあるわ証拠が。領主館にいたやつらを全員血祭りにして人質を全員解放して……いやー、あの時は最高だったね!!まあ、同時にそのせいで『領土内では他種族からの攻撃は効かない』ってルールが出来ちゃったんだけどさ」
ここに人外の化物あらわる。誰か助けてくれ。シリアスな話が一気にスプラッタになった。
「コホン、というわけでいたいけなヴィレッタちゃんは今のような歪んだ子になっちゃった訳ですよ」
最後はともかくとして、なるほど確かにそれは悲惨だと解った。
「そういえば、具体的にそいつは何してんだ?PKか?」
「似たようなものかな。協力な魔法で複数の人数を一辺に葬るんだよ。情け容赦なく。『力が全てよ』ってね」
「なーる……」
その日はそれで解散ということだったが、2人は今年中にログインするのは難しいらしい。
「ごめん。1日一回は入るだけ入ってみるから。急ぎの用事が出来たらメッセージ送って」
「全く、このご時世になっても無線が入ってない家ってどうなの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ