UNION
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くれたまえ』
『まっ! ウルトラマンがサーヴァントなんだから、楽勝だろうけどね! ほら、この前キュゥべえ君が迎え入れちゃった……なんだっけ?』
『ウィザードのことかい?』
『そうそう! 僕のお気に入りのアサシンを倒しちゃったからさあ……頼むよ? ウルトラマン』
クマの妖精がトレギアへグイっと顔を向ける。
召喚されたばかりのトレギアはゆっくりと立ち上がりながら、肩を払った。
「やめてくれ。ウルトラマンだったのなんて……昔の話さ」
トレギアは妖精たちを一瞥した後、過去のアカネへ指を伸ばした。
「初めまして、マスター。私はフェイカーのサーヴァント、トレギア。君の願いを叶えにやって来た」
そう。これが、トレギアとの初めての出会いだった。
彼もまた、アカネと同じく怪獣に理解のある者だった。アカネが作った人形に命を吹き込み、人間大とはいえ怪獣で人々を襲うことも可能だった。
だがしばらくの間は、トレギアの進言により、聖杯戦争に表立っての参加は避けていた。
そして昨年の十一月。あの雨の日、見滝原の病院から始まったパンデミックで人々が怪物になる事件が起こったとき、アカネは心底沸き起こった。
トレギアは静観を決めていたが、そんなことは関係ないとばかりに、アカネはワクワクしていた。
怪獣ではなく怪人と言った方が正確だが、それでも人々は阿鼻叫喚の地獄に突き落とされていた。
だが、それは即座に収まった。犠牲者は決して少なくないが、それでも見滝原を怪物の町にすることはできない。アカネは大きく落胆し、しばらくトレギアにも八つ当たりをしていた。
その後も、怪物が大量発生する出来事はあった。
蘇った超古代の大陸が、数多の電波で作られた怪物たちを見滝原に放った。彼らは、その数を武器に人々を襲い、今度こそアカネが望んだ怪獣による破壊が見れると期待した。
だがその期待は、他でもない聖杯戦争の運営自体に邪魔された。
『これから、聖杯戦争の会場は、見滝原からムー大陸に移動しま〜す! 参加者の皆様は、ムー大陸に移動するから、十秒で荷物の準備をしてね?』
暴れる怪獣たちを見物している最中に響く、クマの妖精の声。
それにより、アカネは、銀のカーテンによって上空の古代大陸へ連れ攫われた。
トレギアともはぐれてしまい、たった一人、古代大陸の中を彷徨ったアカネは、その時ばかりは死を覚悟した。
幸い古代遺跡の中で、アカネには何も起こらなかったものの、その時気付いた。
___結局私の味方は、誰もいなかったのかな___
___現在___
それは、イリスの記憶。
この世界に召喚されたイリスは、新たな世界の情報を得ようと、アカネの手綱を引きちぎった。そのまま森に隠れ、あらゆる場
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