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strike witches the witches of stratos
Ep-01
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る物腰。浮かべる微笑には、どこか艶っぽさを感じさせる。はっきり言って美人なのだが、惜しむらくは、頬が赤く腫れ上がり、魅力が三割減している事か。

「懲りないな、お前も」

 一体何が起きたのか予想できたのか、喉を鳴らして笑うラル。その横ではバルクホルンがあきれ果ててものも言えないのか、頭を抱えている。
 
「……それで、ボス。この騒ぎは一体なんなんだ?」

 すると、今まで黙っていたもう一人の少女が優刀に尋ねた。
 革製のフライトジャケットに身を包んだ、気だるげな印象の少女だ。
 
「おはよう、大将。起きて早々悪いが任務だ」

「任務?」

「ああ。避難民を乗せた輸送機の護衛にオラーシャ国境まで迎えに行って、バルトランドまで送り届ける」

「なるほど。という事は、今日はバルトランドに泊まりになるわけだな」

「まあ、そうなるな」

 優刀が答えると、『大将』と呼ばれた少女は納得したように頷く。

「よし、ボス。向こうについたらバーに直行だ」

「ジェンタイル中尉、任務前に不謹慎だぞ!」

 バルクホルンが非難の声を上げるが、リベリオン空軍中尉、ドミニカ・S・ジェンタイルは、どこ吹く風と聞き流して、さっさと自身のユニットへと向かって行った。

「さて……これで、今いるメンバーはそろったな」

「ええ」

 優刀の言葉に武子は頷き、背中に汎用機関銃と、その予備弾倉を背負う。さらにサブマシンガンを腰のホルダーに装着。ポーチに栄養補給用のチョコと水筒、エイドキットに信号弾も入れる。
 一般歩兵では、歩くことが困難な程の重装備だが、魔力によって身体能力を強化した武子たちは苦も無く装備していく。
 バルクホルンに至っては、機関銃と予備弾倉をもう一式。さらには無反動砲、パンツァーファウスト3を2門を背負うという、もはや規格外の重装備だ。
 
「よし、全機、準備は出来たな。行くぞ」

 隊員たちが準備を終えたのを確認し、優刀は整備員に指示を出して、ユニットを固定していたバーを外させる。
 滑走路に移動を始めようとしたところで、優刀のインコムに通信が入った。 

『大尉、聞こえるか』 

「ボニン少佐」

 低く、落ち着いた女性の声だ。
 通信の相手は、JG52司令、フーベルタ・フォン・ボニン少佐。優刀達に命令を出した人物である。 

『加藤中尉から、任務の事は聞いているか?』

「はい、これから向かいます」

 優刀が答えると、通信機越しに疲れた溜息が聞こえた。

『すまないな、非番の時に。出来れば、うちの部隊から出したかったのだが、こちらも余裕がない』

「なに、半日も休めたんですから、十分です」

『そう言ってくれると助かる……では、頼んだぞ』


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