暁 〜小説投稿サイト〜
不可能男との約束
選択の始まり
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
興奮してんじゃね?」

そうだったらどうしましょう?
痛めつけても喜ばれたら、逆に言わせたいことを言わせられないかもしれない。
困りましたわ。私、テクニックで拷問するのは苦手なんですけど……。

「……やべぇ……! さっきから際限なく嫌な予感が膨れ上がってくるぜ……! この不安を払拭するには智。お前の胸を揉ませ───」

もう一度吹っ飛んでいく副長を尻目にとりあえず一応、総長のいう事を聞こうかと思って返事をする。

「で、何ですの? ここで下らない事を言ったら流石の総長でも許しませんのよ?」

「Jud.Jud.ネイトには悪いんだけど……シュウについては許してやってくれね? あいつがああなのは俺のせいでもあるんだし」

「……はい?」

初耳にも程がある発言であった。
正直、そんな事があったという事を考えてなかったので、思考と体が停止してしまった。それは周りも同じらしく、え、マジで? といった感じで硬直しているメンバーであった。
どうでもいいですけど、付き合い良すぎじゃありませんの? と一部の思考がこの状況をツッコんでいる。
そうしていると、当の本人たちが会話をし出した。

「おい馬鹿。何、気色悪い事言ってんだ。ああん? 誰がてめぇのせいでこんな愉快な状況になるって言うんだ」

「おいおい親友。幾ら照れ屋さんだからって、そこまでツンデレになったら俺もときめいてちまうぜ。もーーーう! ツンツンしちゃって! このテ・レ・ヤ・サ・ン!!」

「ぶっ殺す」

落ち着け落ち着けと周りで彼を抑えにかかるのを見る。
気持ちは解るが今はこれを聞かないと話にならないので、結果放置する。
総長に先を促らせる。ナイトとかが録音を開始しているけど、そこは気にしないでおこう。自分には関係がない事だし。

「総長。続きを」

「───その前にギャグ、いらねえか?」

拳を握る。

「───総長。続きを」

「ひ、一つ仕草を買えただけで、言葉の雰囲気が変わりやがったぞ……!」

いいからいいからと半目で睨みながら先を喋らせる。
ああと前置きを置いて彼は先を続けた。

「ネイトがどうしてそこまで拘ってんのか知らねぇけどよ……この話し合いの結果で、あいつは動いてくれると思うぜ。」

「……それは……どうして……?」

「だって、それが俺とあいつが交わした約束なんだ」

約束。
その言葉では自分が思い出す思い出もある。それこそ、総長と交わした約束である。
だけど、それとは別に彼とも総長は約束を交わしたという事だろうか。
そう思い、彼の方を見る。
彼の性格だと、見当違いとかならば直ぐに否定するだろう。
だけど、彼の反応は沈黙して、だけど、何となくふんっといった感じに顔を背けている。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ