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Fate/WizarDragonknight
タイムリミット
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「させない!」

 発射されようとする、トレラアルティガイザー。
 だがウィザードは、それよりも早く、トレギアの腕を掴み、狙いを魔法陣から反らさせた。
 発射されたトレラアルティガイザーは、そのまま周囲のイリスの体を破壊していく。だが、魔法陣は未だに健在。

「邪魔をするな……ウィザード!」
「それはこっちのセリフだ!」

 ウィザードは決してトレギアの腕を離さない。そのまま取っ組み合ったトレギアは、ウィザードに腕を握られたまま、トレラアルティガを放つ。
 ほぼゼロ距離で発射された黒い閃光は、そのままウィザードの体から火花を散らす。だがそれでも、ウィザードは手を放すことはなかった。

「ぐっ……」

 トレギアの攻撃に耐えながら、ウィザードは横目でエンゲージの魔法陣を盗み見る。
 開いた入口だったが、ウィザードの魔力供給が途絶えたため、今にも消えそうなほどに点滅している。

「真司! 可奈美ちゃん!」

 ハルトは呼びかける。
 だが、当の二人も、そして響、友奈、えりかもまた、ギャオス及びイリスの触手と格闘している。
 とてもウィザードの望みを達成できる状況ではない。

「君の希望は……どうやら、ここで壊れるようだね」
「だったら、お前を倒した後、もう一回やればいい!」

 ウィザードはさらにトレギアに顔を近づける。
 トレラアルティガによって体のあちこちから火花を散らしながらも、膝蹴りでトレギアに小さなダメージを何度も重ね、やがて彼の姿勢は崩れていく。
 イリスの体を足場にしてジャンプ。
 そして。

『チョーイイネ キックストライク サイコー』
「トレラアルティガイザー!」

 至近距離からの必殺技同士の激突。
 ウィザードは、持てる魔力全てを駆使し、両足で連続蹴りを放つ。トレギアも、永続的な闇の雷撃で応戦し、両者の間には力の残滓が次々と飛び散っていく。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
「あああああああああああああああああああああああああっ!」

 それぞれに少なからずのダメージが入りながら、やがて両者は落ちていく。駅の床を砕き、さらに地下街まで落ちていき。
 瓦礫の山と化した最下層の駐車場に着くまでに、ウィザードはエンゲージの魔法陣が消えるのを確かに見た。
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