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Fate/WizarDragonknight
タイムリミット
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連れて上昇する。
 即座に彼女の姿はカードとなり、ウィザードの手に握られる。

「行くぞ! リゲル!」

 リゲルだったカードより、青い光が放たれる。

『オーバーブースト!』

 リゲルがウィザードに齎す、青の世界の力。
 リゲルが付けていた翼の形をした装甲が、ウィザードの背中に装備される。投げ捨てたウィザーソードガンの代わりに、リゲルの砲台が装備された。
 そして、ウィザードの目の前を覆う、リゲルのゴーグル。
 熱源探知に切り替わったゴーグルには、イリスに取り込まれたアカネの姿がハッキリと視認できた。

「あれか!」

 ウィザードの腰に着いたブースターが火を噴く。
 風のウィザードにも匹敵する勢いで、ウィザードはイリスへ接近。触手を掻い潜り、やがてイリスの胸元へ接近。

『ルパッチマジックタッチゴー』

 もう、目と鼻の先になったところで、ウィザードはベルトを起動。
 同時に、リゲルの砲弾で、イリスの胸元を打つ。表面の肉片を削ぎ落し、その肉を露わにした。

『今よ! ウィザード!』
「ああ!」

 ウィザードは即座に、右手にエンゲージリングを持ち……

「させないよ、ハルト君」

 正面から、ウィザードの頭を掴まえる手が現れた。
 トレギア。
 蒼い混沌が、そのままウィザードの体に打撃を与えてくる。

『うわああああっ!』

 火花を散らすウィザード。さらに、オーバーブーストによりウィザードに装備されていたリゲルが、装備を解除したままウィザードから吹き飛ばされていく。

「リゲル! この……!」

 トレラアルティガの中でも、ウィザードは無理矢理指輪をベルトに読み込ませる。指にはめることなく、そのままドライバーは魔法を発動させた。

『エンゲージ プリーズ』
「いっけえええええええええええ!」

 即座にそれを、イリスの腹に投げ込んだ。
 対象者の心へ入る魔法を可能にするエンゲージ。
 それは、イリスの体に突き刺さった瞬間、魔法陣がその体内より現れる。
 心に入り込む力を持つエンゲージ。だが、発動に成功したところで、ウィザードの体もまたトレギアの奔流によって流されていく。
 完全に離れ切るよりも先に、ウィザードはイリスの傷口へエンゲージリングを投げた。傷口が再生していくよりも一コマ早く、エンゲージリングはイリスの体に埋まり、その内部に通じる魔法陣を開いた。

「よし!」
「あれは……」

 トレギアは怪訝な顔を浮かべながら、狙いをウィザードからイリスの体に埋まったエンゲージリングに変更する。

「その指輪には、前にもお世話になったよね。氷川紗夜を私から奪ってくれた、忌まわしい指輪だ」

 トレギアはそう言って、その腕に暗い雷を迸らせた。
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