第11話 祈り (高町なのは@8歳)
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時刻は19時30分。
既にディナーとして供された料理は概ね食され、ケーキの登場が待たれる時間となっていた。
そんな微妙な空白の時間帯に、八神雷電が動いた。
彼曰く、「今こそプレゼントを渡すにふさわしいタイミング。とりわけ、高貴のプレゼントはさっさとあいつに渡してしまうべき」。
至言である。それ以上に驚きである。何が?シスコン《はやて一筋》の彼になのはさんへの気遣いができたという一事が。
――実はなのはさん、先程からプレゼントの箱が置かれた場所をチラチラと見てはニヤニヤし、明らかに挙動不審になっていた。
ともかく、その言を請けて美由希さんが動いた。そのフットワークの軽さ、流石御神の剣士である。
「なのは、これはコウ君からのプレゼントよ。」
「ありがとう!」
大好物の骨付き肉を眼前に差し出された犬さながらの反応速度で箱へ飛びつき、それを受け取ったなのはさん。
間を置かず、次のプレゼントの運搬――常識的に考えて、恐らく彼女自身が用意していた物――に取り掛かる美由希さん。
自身の誕生を祝福してくれる友人知人に恵まれたなのはさんは、受け取るプレゼントも多いのだ。
この後に控えているもの《ケーキ》を思えば状況に先んじ早目に渡してしまうに限る、といったところか。
しかし、そんな美由希さんの積極果敢な行動《スペキュレイティヴ・エグゼキューション》をストップする人物が居た。
「あの、美由希さん。今少しええか?」
「うん、どうかしたのかな?はやてちゃん。」
「あんな?美由希さんが料理のことで悩んでるらしいってさっき恭也さんに相談されたんやけど――」
こうしてきょうきょ美由希さんに対するはやてのリリカル☆クッキング講座が開催されることになってしまったのだ。どうしてこうなった?
全ては恭也のせいである。己の恥部《ポイズン・クッキング》を8歳児に暴露され、屈辱的な講義を受けさせられる・・・とんだ罰ゲームだ。
おや?美由希さんの手がメガネに・・・・・・
美由希さんの公開恥辱プレイが執行されている頃、なのはさんはお誕生日会のハイライト《プレゼントタイム》を迎え、そのテンションは最高潮に達しつつあった。
「なのはっ、早く開けてみなさいよ!」
「うん!」
何故か、妙にテンションの高いアリサの言に後押しされ、今度はお預けを解かれた犬のような慌しさで箱の開封にかかるなのはさん。
「わあ!!」
そして、包装を全て剥がし終えたなのはさんは感嘆の声を上げた。
箱の中から現れたのは、妖しく輝く大粒のスタールビーをペンダントトップへ据えたアミュレット《魔除けのお守り》。
プラチナ
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