第11話 祈り (高町なのは@8歳)
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貴はアホじゃねえ。これでいいか?」 「・・・いいの。」
はやてが場を治めに介入し、その瞬間に、はやて一筋《シスコン・オブ・シスコン》たる雷電があっさりと謝罪して終わるのである。
「・・・それで?コウキが何をしたっていうのよ?」
先程なのはさんに遮られた質問をリプレイするアリサ。・・・そんなに高貴の欠席が不思議なのか?ああ、フシギダネ!
「だから、高貴は、高町の誕生日を祝おうとしたんだよ。どうせ先の事をあれこれアホみたいに考えて無理したんだろ。
具体的に何をしたのかは知らん。まあ、だいたい想像はつくがな・・・言わないでおいてやるよ。」
一息にそう言い切って、さっさと場を離脱する雷電。どうやら彼はこれから山田くんとの会話に興じるつもりのようだ。
雷電は頭脳チートと見せかけつつコミュ障と見せかけて、オチは熱血バカなので――このことを知っている人物は意外と少なく、家族を除けば高貴と山田くんくらいだったりする――同類の山田くんとはさぞかし波長が合うことだろう。
「あはは、雷電君らしいね。でも、私も高貴君の欠席の理由がわかっちゃったかも。」
雷電へのフォローとともに、さり気なく衝撃のセリフを口にするすずか嬢。
うーむ、あんなにイヤミで迂遠な雷電の発言から事情を察してみせるとは流石に純度100パーセントの御嬢様は侮れない。
「本当?!すずかちゃん、教えてほしいの!」
「私もわからんわー。ほんで、なんでなん?」
「くっ。すずか、勿体振らずに早く言いなさいよ!」
「・・・ごめんね。でもこれは私の口からも言えないかな。特になのはちゃんには。」
当然の如くすずか嬢へ質問が殺到するが、素気無い答えを返すすずか嬢。
しかし、アリサ嬢はそんな答えで満足するような御人柄ではなく・・・
「じゃ、じゃあっ!なのはには秘密で私とはやてにだけ教えなさい!!」
「ええっ!アリサちゃん、ひどいの!」
そうして、すずか嬢の側にアリサ嬢とはやて嬢が集まって内緒話を始め、「〜かなって。」「なるほどね・・・」「ほっほーう。」「――の時になれば・・・」「うん、わかると思う。」などという思わせぶりな会話が漏れ聞こえ始める。
その横では、なのはさんが「おはなしを聞かせて!」と騒いでいたが完璧にスルーである。
・・・微妙になのはさんの扱いが悪いような気がしないでもないが、先程と違い、今のなのはさんの表情に暗いところは見受けられない。
なんだかんだで、なのはさんのテンションも上がってきたようだ。
――このようにして、なのはさんのお誕生日会は始まった。
なのはさんのちょっぴり膨らんだ頬が印象的な、最初の一幕であった。
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