第二章
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「日本のプロ野球史上な」
「最強で」
「それこそ滅多にな」
「点取られないわね。確かに」
「ここに打線が加わったら」
熱い目と声で話した。
「そうなったらな」
「もう無敵っていうのね」
「そうだ、だからな」
「阪神来年は優勝だっていうのね」
「岡田さんと和田さんの手によってな」
「言うわね、けれどね」
千佳はここでもクールに応えた、二人は母が出したトーストにそれぞれバターを塗って食べはじめている。茹で卵やピクルスもある。
「それはよ」
「カープが優勝するからか」
「新井さん率いるね」
「そう言うんだな」
「何度もね」
「じゃあ来年の十月観るんだ」
笑ってだ、兄は言い切った。
「岡田監督の胴上げをな」
「新井監督の胴上げの間違いでしょ」
「それはないな」
「そっちこそね」
兄妹で言い合いつつ朝食を食べた、そうしてだった。
二人はそれぞれ登校した、寿はまず部活の朝練に出てクラスに入った。クラスに入り自分の席に座るとだった。
月刊タイガースを開いてチームの状況を確認した、そのうえで豪語した。
「隙がないな」
「また言うかよ」
「お前それ昨日も言ってだぞ」
「一昨日もな」
「それでもまだ言うか」
「そうするんだな」
「だって事実だからな」
クラスメイト達に笑って応えた。
「何度も言うよ」
「やれやれだな」
「まあ俺達もファンだしな」
「ここ関西だからな」
「大抵阪神ファンだしな」
「嫌いな人はそういないな」
「それ僕も嬉しいよ、阪神は来年雄飛して」
そうしてと言うのだった。
「きっとだよ」
「優勝か」
「そうなるんだな」
「そう、そして」
そのうえでというのだ。
「日本一にもなるよ」
「そうなればいいな」
「根室って毎年そう言ってるけどな」
「来年こそはな」
「そうなってくれたらいいよな」
「来年はダイナマイト打線復活だよ」
寿は目を輝かせて話した。
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