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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第131話:想いと共に羽搏く翼
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ったが、マリアの言う通りその散らかり具合に反して埃や塵が全くない綺麗な状態で維持されていた。
まるで10年間、時が止まったままの様に。
「お前との思い出を失くさないよう、そのままに保たれていたのがあの部屋だ!! 娘を疎んだ父親のする事ではない!! いい加減に気付け馬鹿娘!!」
「……だがそれが結果的に、お前を風鳴の家に縛り付けた挙句、夢まで奪ってしまうとは……私は、父親失格だな」
八紘が今まで翼に対して冷たい態度を取っていたのは、偏に翼を風鳴と言う鳥籠から解き放つ為であった。つまりは愛情の裏返し。愛するが故に、至ったのが今までの八紘の態度であった。
だがそれが却って翼に父への固執を促し、翼と血の?がりの意味で父親である訃堂の求める剣としての道を歩ませてしまったのは何たる皮肉か。
己の人として、父としての至らなさに、八紘は自分を酷く罵倒したくて仕方なかった。
「お父様……では、私は、今まで――!?」
父の言葉に、翼は今まで自分が勘違いをしていた事に漸く気付いた。そして父からの本当の気遣いに気付く事が出来なかった、己の未熟さと親不孝を嘆いた。
同時に、父に愛されていたのだという事実を認識し、翼は涙を流して八紘に抱き着いた。
「ごめんなさい、お父様!? 私は、私は……」
「良いんだ、翼。私も、彼女に教えられなければ、こうして一歩を踏み出す事すら出来なかった」
そう言って八紘が見る視線の先では、奏がファラと激闘を繰り広げている。だがその動きは何処か精細さを欠いていた。奏の中にプールされている魔力が既に底を尽きかけており、ギアの形状を維持するだけで精一杯となっていたのだ。
奏の窮地を察し、翼は涙を拭って立ち上がった。
「お父様。私は、行かなければ!」
「うむ」
「パパさん、こっち!」
マリアが八紘を安全な場所へと退避させる。
その最中、彼は翼に後押しとなる言葉を投げかけた。
「翼、歌え! 風鳴の剣として等ではなく、お前自身の夢の為に!!」
「はい!!」
八紘からの激励に、翼は力強い言葉で返した。
それと時を同じくして、ファラと戦っていた奏に限界が来た。対に魔力が途切れてしまい、ウィザードギアが解除されてしまった。
「ッ! ヤベッ!?」
「フンッ!」
「ぐあぁぁぁぁぁっ?!」
通常ギアに戻り、出力が落ちた瞬間を狙って放たれた一撃は奏を戦闘不能にまで追い込むのに十分であった。地面に叩き付けられ、そこで奏のギアが解除される。
「ぐぅぅ、くそ……」
口の端を切り、血を流しながら呻く奏の傍にファラが降り立つ。その手には既にいつでも奏の命を刈り取れるようにと、剣が握られ首に狙いを定めていた。
「貴方は危険です。ここで始末
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