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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第131話:想いと共に羽搏く翼
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? 君は私に何の用なのかね?」
「ん〜とねぇ……」
奏はチラリと慎二に目配せする。それだけで慎二は奏の頼みに気付いた。人払い、それに加えて恐らくは自分にもあまり聞いてほしくは無い内容の話なのだろうと察し、小さく笑みを浮かべて無言で部屋の外に出た。
室内に2人きりになった頃合いを見て、奏は八紘の前で机に手をつき真剣な表情で口を開いた。
「なぁ、頼む。家庭の問題に口を突っ込むのは無粋だと分かっちゃいるが、それでも言わせてくれ!」
「何をかね?」
「翼と……翼とちゃんと家族として接してやってくれ!」
奏の要望に対し、八紘は眉一つ動かさなかった。だが僅かながらに目が泳いだことを奏の目は見逃さない。
「翼の奴は、ああ見えて寂しがり屋で、本当はアンタに甘えたがってるんだよ。ほんの少しでもいい、あいつに父親としての優しさを向けてやってくれ」
「……翼は風鳴の剣だ。剣に対してその様な――」
「剣がどうとかそんなの関係ないッ!!」
頑なな八紘の様子に、奏は思わず声を荒げて机を思いっ切り叩いてしまった。衝撃で詰まれたファイルの幾つかがずり落ち床に広がる。言った後で奏は、翼達に聞こえてしまってはいないかと焦りを顔に浮かべるが、幸いな事に今の騒ぎは2人の耳には届かなかったようで戻ってくる気配はない。
ホッと一息つくと、奏は心を落ち着けて改めて八紘に懇願した。
「頼むよ。家族が目の前に居るのに、親子として接する事が出来ないのを見るのはもう辛いんだ。アンタはまだ、翼に自分が父親だって言って接する事が出来るだろ?」
「私は……」
「頼むよ。これ以上、アタシの大事な人から……家族を奪わないでやってくれ」
奏はそう言って深く頭を下げた。必死さすら感じさせるその姿に、八紘は何も言えず見ているしか出来ない。
どれ程の時間が経っただろうか。奏は、少しでも八紘に思い直してほしい一心で頭を下げ続けていたが、生憎と彼からの反応は無い。
――ダメか……――
自分の言葉も、結局は彼には届かなかった。これが颯人であれば、もっと上手くやれたのだろうにと肩を落として頭を上げようとしたその時……
屋敷内に突如として大きな破壊音が響き渡った。
「「ッ!?」」
その音に驚き奏は頭を上げ、部屋を飛び出すと敷地内の別の家屋から煙が上がっているのが見えた。
「ヤバいッ!?」
八紘の説得に必死になるあまり、奏はすっかり失念していた。ファラはまだ攻撃の意志を持っている。しかも奴の狙いは翼だ。
奏が慌てて煙の上がっている家屋へ向けて駆け出すと、その後ろを八紘もついてきていた。
「えっ!? ちょ、何で!?」
「屋敷での事だぞ。私が向かわなくてどうする」
「危険に首突っ込まない
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