第二章
[8]前話
「あなたへ若い人から電話あったわよ」
「庵ちゃん?何かあったの?」
夫は聡子の娘の名前を眠そうな目で出してきた。
「相談ごとかな」
「いや、何かかけてきただけだったわ」
夫のその眠そうな目とそうなっている声に確信したので打ち消した。
「それだけだったわ」
「そうなんだ」
「ええ、それだけよ」
「じゃあまたテレビ観るよ」
こう言ってだった。
夫は子供達が休日の部活から帰ってきて夕食になるまでテレビを観ていた、そして風呂に入って寝て翌日は朝ご飯を食べて歯を磨いて会社に行った。妻はそんな彼を見てあの電話は何かと思っていたが。
後日だ、姉に直接会って話した。
「お隣のご主人がよ」
「浮気してたの」
「それを知った浮気相手のお友達がよ」
「奥さんにお話したのね」
「そうだったのよ」
「電話番号間違えて電話したのね」
姉も事情を理解した。
「そうなのね」
「ええ、とうやらね」
「そのお友達は浮気が許せなくて」
「奥さんに知らせたのよ」
「そうだったのね」
「ええ、何かと思ったら」
悠は姉に苦い顔で話した。
「うちの人に限ってって」
「そうした事情だったのね」
「ええ、何ていうか」
「こんなこともあるのね」
「世の中ね」
「そうね、まあ結局昭夫さんが浮気なんてね」
「することはね」
夫を見ていればというのだ。
「想像出来ないし」
「実際してなくて」
「よかったわ、そのことは嬉しいわ」
姉に笑顔で話した、そうして家に帰ると彼の好物であるほっけを出した。夫は喜んだが何故出されたかは知らずただ食べるだけだった。だが悠はそんな彼を見て笑顔でいた。
夫が不倫とか 完
2022・10・28
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ