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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
祝福は心の中で
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ュカ。
彼の声で、遠くの犬が遠吠えをする。

「わ、私は…」
先程まで真っ赤だった神官の顔が、今では真っ青に変わってしまった。
「神が与えた試練なら、神が彼女の勇気を審査する!お前はただの門番だろ…偉そうに俺の子供達を批評するな!」
空気を張りつめさせるリュカの怒りに、何も言えなくなる神官…
今彼の頭にあるのは、リュカが自分に何もせず立ち去ってもらう事だけ…
最早、試練における不正などどうでも良くなっている。



神殿を出てウルフがティミーに近付き声をかける。
「ティミーさん…どんな方向音痴になれば、この絶壁を超えられるんですか?」
「何…父さんに勢い良く放り投げてもらえば簡単さ!」
ティミーが絶壁と建物の境で、他より低くなっている箇所指さし、肩を竦めて説明する。

「よ、良く無事でしたね…着地はどうしたんですか?」
「壁の向こうは砂漠地帯でね…スクルトを重ねがけしてダメージを軽減した。…尤も、丁度モンスターの一団の上に落ちたから、ものっそい痛かったけどね」
その場に居た皆が驚きながら、リュカとティミーを交互に見る。

「どうしよう…リュカさんとティミーさんの区別が付かなくなってきた!」
「ちょ、ウルフ君…大変失礼な物言いだよ!」
そんな台詞にみんなが笑い出す。
「うん。流石は我が息子!」
ティミーの肩を抱き、嬉しそうに呟くリュカ。
そして全員宿屋へ着き、待ち続けた疲れを取り除くかの様に眠りにつく…






誰もが寝静まった夜明け前…
ティミーは隣で静かに寝息を立てるアルルを、起こさないようにベッドを抜け出し、服を羽織り冷たい空気を吸いに宿屋の外へと出て行った。
つい先程まで、愛しいアルルと男女の事柄を行っていたティミー…
未だに夢心地で、思い出すと顔が火照ってしまう。
宿屋の外で、うっすらと白けてきた空を眺め、大きく息を吐く。

「大人の仲間入りおめでとう」
不意に後ろから声をかけられ、慌てて振り向くティミー!
「と、父さん!い、何時からそこに…?」
そこにいたのは彼の父…リュカが優しい笑顔で佇んでいた。

「お前が出てくる数分前………僕とビアンカの部屋は、お前がさっきまで居たアルルの部屋の真下なんだ。お前の行動は読みやすい…ベッドの軋む音が止んだから、ここでお前を待っていた」
辺りはまだ薄暗く、リュカからは分からないが、ティミーの顔は真っ赤に染まっている。

「で、どうだった…初めての感想は?」
「ど、どうしてそう言う野暮な事を聞くんですか!?…ただ、1つだけ言えるのは…柔らかくて良い匂いがしました…」
「そうだ…女の子はみんな柔らかくて良い匂いがする…アルルのように、幼い頃から剣術訓練をしていた娘でも、柔らかくて気持ち良いんだ!」
まだ記憶に新しい
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