暗躍編 ウルトラレディーズファイト
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かされたヴィルヘルミーナと劉静は、人の道から逸脱している彼女の「計画」に、BURK隊員としての義憤を燃やしている。
「……それが『正しい』反応よ。ルーデル隊員、劉静隊員。やはり、あなた達2人を選んだ私の目に狂いはなかったようね」
「何を……言っているのですか」
だが、シャーロット自身はそんなヴィルヘルミーナと劉静の態度を、むしろ歓迎しているようであった。
得体の知れない女科学者の微笑に2人の女傑は顔を見合わせ、眉を顰めている。扇情的な唇から漏れる甘い吐息は、同性の彼女達すらどきりとさせていた。
「聡いあなた達なら、すでに理解していることでしょう? その怒りを燃やしている『正しさ』では、あの星を滅ぼした元凶に勝つことは出来ない。『正しいまま』でこの地球を守り抜くには、人類はまだあまりにも幼い。例え、ウルトラマンが付いているとしてもね」
「……それは今、あなたのような人間も含めたこの星の人類全てを守ろうとしている、ウルトラアキレスへの冒涜です」
「そして……あなたの造る兵器を信じてきた、仲間達への裏切りです」
「そうね、その通りだわ。……だからこそ、あなた達のような『正しい人間』が必要なのよ」
自分に対して敵意を露わにするヴィルヘルミーナと劉静。そんな彼女達の根底にある「正義感」こそが必要なのだと、シャーロットは静かに、そして力強く訴える。
この研究室を照らしている無数のモニターの中にはごく一般的なテレビも紛れており、そこではウルトラアキレスが怪獣と戦っているニュース映像が中継で流されていた。「ミイラ怪獣」の異名を取るドドンゴの背に跨ったアキレスは、その頭上から一方的にチョップの連打を見舞っている。
すでに彼の実力は、一流のウルトラ戦士と呼んでも差し支えない域に達しているのだろう。だがシャーロットはそれでもまだ、地球に迫ろうとしている「脅威」を排除するには遠く及ばないのだと「分析」していた。
「私の『過ち』を正しく理解し、それを許せないと正しく怒ることが出来る。……私はそんな人間にこそ、全てが終わった先の未来を導いて欲しいの」
「全てが終わるまで……僕達に、指を咥えてあなたの所業を見ていろ、とでも?」
「弘原海隊長や駒門隊員では出来ないことでしょう? 彼らも決して鈍いわけではないけれど……あなた達ほど、『大局』が見えているわけではないもの」
それは決して、許容出来る発言ではなかった。仲間を愚弄するようなシャーロットの物言いに、冷酷な殺意を駆り立てられたヴィルヘルミーナと劉静は、鋭い激情に身を委ねるようにホルスターからBURKガンを引き抜く。
そして。テレビの中継映像に映されているアキレスが、イーリアショットの一閃でドドンゴを粉砕した瞬間。
ヴィルヘルミーナと劉静は躊躇うことなく――
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