第五幕その二
[8]前話 [2]次話
「面白いんだよ」
「そうーーですーーね」
「戦争も災害もないしね」
こうした恐ろしいものもです。
「ただ悪い魔女は出たね」
「東の魔女と西の魔女だね」
臆病ライオンが応えました。
「懐かしいね」
「そうだね」
「あの頃には僅かでも悪い人もいたね」
「オズの国にはね」
「最初から悪人はいたんだ」
オズの国にもです、教授はお話しました。
「オズの国にも、けれど悪いことはしても」
「それでもなんだ」
「外の国の様に戦争や災害は起こさなかったからね」
「よかったんだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「記録も残ったんだ」
「そうしたことがなかったからだね」
「オズの国ではね」
「戦争も災害もね」
こう言ったのは臆病ライオンでした。
「物凄く嫌だよね」
「どっちも絶対に起こって欲しくないものよ」
ドロシーは厳しいお顔で応えました。
「本当にね」
「ドロシーはその災害でオズの国に来てるね」
「竜巻そして海が荒れてね」
「どちらも下手をしたらだったね」
「死ぬところだったわ」
「ええ、運がよかったわ」
その海が荒れた時にドロシーと一緒だったビリーナが言います。
「あの時はね」
「そうよね」
「あんたと一緒じゃなかったら」
ビリーナはドロシーに言いました。
「オズの国と縁があるね」
「さもないとだったのね」
「私だってどうなっていたか」
「そう言うけれど私もよ」
ドロシー自身もというのです。
「死ぬかと思ったわ」
「やっぱりそうよね」
「それだけ災害は恐ろしいものよ」
「死ぬまでのことね」
「そうよ、そして戦争も」
これもというのです。
「南北戦争のことは聞いたけれど」
「酷いものだったみたいね」
今度はエリカが応えました。
「もうアメリカが滅茶苦茶になった」
「そうなったね」
まさにというのです。
「酷い戦争だったらしいわね」
「そうよね」
「そうしたことを思うとね」
「戦争も災害もよね」
「沢山よ」
「思えば僕達が来たのも災害だしね」
ハンクも自分のことから言います。
「本当に災害も戦争もだよ」
「ないことが一番だよ、そのどちらもないからね」
モジャボロも言います。
「オズの国は尚更素敵なんだよ」
「全くだ、海は荒れないし地震も台風も噴火も落雷も火事もない」
キャプテンは具体的に挙げました。
「それで歴史も残るからいいことだよ」
「そう、だからオズのことはよくわかっているんだ」
ボームさんはまたお話しました。
「その歴史がね」
「それでその長い歴史のことがなのね」
つぎはぎ娘は陽気に応えました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ