第一章
[2]次話
胡散臭いセミナー
会社でその話を聞いてだ、森清正は同期の外崎正則に言った。森は薄茶色の髪の毛を真ん中で分けた細面で明るい顔立ちの青年で背は一七六程で痩せている。外崎は森と同じ位の体格で黒髪をショートにしていてにやけた感じの顔立ちだ。
「最近評判のセミナーか」
「ああ、煉芳さんっていう人のな」
外崎は森に話した。
「毎週金曜にやってて」
「最初の講習料は無料か」
「聞きに行ってもな」
そうしてもというのだ。
「それで聞くとな」
「成功するっていうんだな」
「この人の話を聞いてな」
ここで外崎はその人物の写真ついでにそのセミナーの広告も出した、黒髪をショートにしていて駝鳥に無理矢理人の歯をくっつけた様な顔をした白いスーツの中年の女性だった。
「大成功して年収一千万になった人がだよ」
「出て来たのかよ」
「どんどんな」
「成功例も出てるな」
森は広告を見ながら述べた。
「エーさんととかビーさんとか」
「この人の言う通りにこの人が紹介するもの売ってな」
「そうか」
「それでどうする?」
外崎は森にあらたまって聞いてきた。
「これさっき外回りの時に貰ったんだけれどな」
「宣伝の人にか」
「ああ、セミナー行くか?」
「いや、俺会社帰りはいつもジム行ってるだろ」
森は外崎に断る顔で答えた。
「だからな」
「やっぱりそっちかお前は」
「そこで身体動かしてるだろ」
「毎日な」
「そうする方がな」
こう外崎に話した。
「いいからな」
「いいか」
「ああ、というかな」
森は今度は怪訝な顔になって森に話した。
「お前これは」
「信じてるかってか」
「まさかと思うか」
「これ絶対に詐欺だよな」
外崎は森に怪訝な顔になって答えた。
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