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レーヴァティン
第二百六十三話 全ての話を整えその十四

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「絶対にな」
「だからでありますな」
「まいてベリヤの様な奴はな」
「特にでありますな」
「この世にいてはいけない奴だ」
 こうも言い切った。
「だからな」
「それで、でありますな」
「見付けたらな」
「即座にでありますな」
「この手でもだ」
「殺すでありますな」
「生かしておいていいことはない」
 何一つとしてというのだ。
「だからな」
「まさにそうでありますな」
「事実ベリヤは誰かを助けたりしたか」
「そんな話はないであります」
「精々息子さんが名誉回復に動いていただけだ」
 この人だけは心から愛していたという。
「だが身の回りにもだ」
「友人も誰もおらず」
「敵しかだ」
「いなかったであります」
「警戒する者、怨む者、憎む者」
「そればかりでありました」
「味方はいたがな」
 同盟者である、マレンコフがそうであった。
「しかしな」
「部下もいたでありますが」
「同じジョージア出身のな」
「同じ様な輩でありますな」
「屑の取り巻きは屑だ」
 英雄は言い切った。
「汚物には蠅がたかるものだ」
「だからでありますな」
「スターリンには最終的にはベリヤがつき」
 同じジョージア出身ということも大きかった、尚歴史的にジョージアが生んだ世界的な人物は今のところこの二人だけかも知れない。悪人は産んでも聖人は産んでいないと今はまだ言えるのかも知れない。世に知られていないだけかも知れないが。
「そしてベリヤの部下達もな」
「碌でもない者達であったであります」
「ジョージアから連れて来たな」
「まさに外道達でありました」
「その取り巻きの多くも共に処刑されてとよ」
 香織も忌々しさに実った顔で言う。
「そして生き残った連中もたい」
「冷遇されたな」
「完全に冷や飯食いだったたい」
 年金も減らされたうえでだ。
「そうなったたい」
「そうして死んでいったな」
「そうたい」
「俺なら全員だ」
「処刑たいな」
「ソ連よりも残虐な処刑でだ」
 英雄は本気で言った。
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