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レーヴァティン
第二百六十三話 全ての話を整えその四

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「最早」
「それしかないぜよ」
「優秀でもだな」
「ああした屑はのう」
「用いるべきではないな」
「多少問題があるならいいぜよ」
 性格や素行にというのだ。
「しかしぜよ」
「それでもだな」
「性犯罪者のシリアルキラーなんてぜよ」
「問題外だな」
「しかも職権も濫用していたぜよ」
 そのうえで女性に迫っていたのだ。
「何十人ものう」
「屑の中の屑だな」
「それも小さな女の子にもぜよ」
「襲ったりもしていたな」
「そして殺すこともぜよ」
「していたな」
「家族全員ごと粛清することも」
 用を済ませた後でだ。
「その女の子もぜよ」
「徹底した屑やからな、あいつは」 
 耕平もこれ以上はないまでに苦い顔で話した、彼は自分でも自分がこんな顔をするとは珍しいと思いつつ話した。
「サイコパスや」
「そうだな」
「良心がなかったんや」
「出世欲とだな」
「権力欲とや」
「性欲だな」
「そういうのばかりあってな」
 ベリヤという輩はというのだ。
「そしてや」
「良心はなかったな」
「人をどうかと思ったりな」
「思いやることもなくな」
「他人の痛みもな」
「感じなかったな」
「平気で人を陥れてな」
 そうもしてだ。
「拷問にかけて処刑することもや」
「嬉々としていたな」
「こんな奴も珍しいわ」
 耕平はその彼にとっては珍しい顔のまま話した。
「ほんまな」
「何の良心もなくだな」
「外道な行いを眉一つ行える」
「そんな奴はそうはいないな」
「世の中稀におるけどな」 
「流石に滅多はいないな」
「そや、そしてその滅多におらん奴がや」
 それこそというのだ。
「ベリヤやったんや」
「しかもそんな奴が警察のトップだったな」
「秘密警察そしてな」
 そのうえでだったのだ。
「普通の警察のな」
「トップにも立ったな」
「そや、自分そんな奴は用いるどころかやな」
「殺す」 
 英雄の返答は一言であった。
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