第三幕その九
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五時まで奇麗にしました、そしてです。
その後は皆で晩ご飯を食べますが。
鴨のオリーブ煮に豚の肝のテリーヌ、レタスやトマトやキャロットやセロリのサラダに玉葱と人参とベーコンのスープにです。
ジャガイモの皮を剥いて丸煮にしたものに食パンデザートにすぐりのパイといった献立でその中で、です。
ボームさんはジャガイモを食べて言いました。
「ジャガイモの上にバターを乗せてね」
「そうして食べるとだね」
「美味しいね」
「わしも思うよ、ただね」
キャプテンはボームさんに笑顔でお話しました。
「最近は烏賊の塩辛を乗せて食べてもだよ」
「美味しいね」
「日本風にね」
「そうだね、外の世界にいた時の僕から見たら」
その時はというのです。
「日本はお伽の国だよ」
「そこまで不思議な国だね」
「中国もね、アメリカとは全く違う国だから」
「そう、本当にね」
「まさにね」
実際にというのです。
「別の世界だよ、けれどね」
「けれど?」
「その全く違う国のことを知ってね」
そうしてというのです。
「その中に入って経験してみると」
「楽しいね」
「そう思うよ、あと肌や髪の毛、目の色が違っても」
こうも言うボームさんでした。
「同じ人間だよ」
「もっと言えば身体が違ってもね」
「自分達と同じね」
「心が人間なら人間と言うね」
ムシノスケ教授は大好物のサラダを食べながら言いました。
「そうだね」
「うん、どんな身体でもね」
「だから私もだよ」
「バッタであってね」
「そして人間なのだよ」
こう言うのでした。
「紛れもなく」
「その通りだね」
「そして貴方の言う通り日本や中国の様な」
「自分達とは全く違う国を知ってだね」
「学んで」
そうしてというのです。
「その中に入る」
「そして楽しむことだね」
「そのことの何と素敵なことか」
「全く以てそう思うよ」
「そう、だからだよ」
教授はにこにことして言いました。
「ジャガイモをそうして食べることも」
「いいことだね」
「私もそう思うよ」
「日本と言えばお寿司だけれど」
モジャボロが笑って言いました。
「お寿司のネタに海胆があるね」
「あれは美味しいよね」
弟さんが応えます。
「海胆は」
「そうだね、けれど海胆の外見を見たら」
「トゲトゲでね」
「食べられるなんてね」
それこそというのです。
「全くだよ」
「思えないね」
「機雷みたいでね」
モジャボロはこうも言いました。
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