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オズのボームさん
第三幕その七

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「スカートの中は見えないよ」
「そうするのね」
「それでどうかな」
「ええ、名案よ」 
 ガラスの猫も笑顔で頷きました。
「いいこと考えたわね」
「学校じゃ結構あるからね」
「そうなの」
「女の子は動く時スカートの下に何か穿くんだ」
「体育の時のスパッツや半ズボンを穿くわ」
 ナターシャが答えました。
「いつもね」
「学校にいる時もお家にいる時もね」
 恵梨香も言います。
「そうしているわ」
「学校じゃ普通だね」
 男の子のジョージも言います。
「そうすることは」
「そうしない女の子の方が珍しいんじゃないかな」
 カルロスは腕を組んで言いました。
「スカートの時はね」
「そうしたら暖かいしね」
「ええ、スカートの下にズボン穿いたらね」 
 トロットとベッツイも言います。
「それだけで違うわ」
「全くね」
「オズの国はいつも暖かいけれど」
「やっぱり身体は冷えないに越したことはないから」
「そうしてね」
「暖かくすることがいいわ」
「それにスカートの中も見られないし」
 ドロシーは考えるお顔でお話しました。
「いいわね、では皆ズボンを穿きましょう」
「スカートの下にね」
「そうしましょう」
「ええ、そうしてね」
 オズマも言ってきました。
「天井のお掃除もしましょう」
「そういうことでね」 
 こうお話してでした。
 女の子達は皆スカートの下にズボンを穿いてです。 
 そうしてから天井をお掃除する人達は宙に浮かぶお薬を飲んだり身体に塗ってから天井に上がってそうして天井を拭いて奇麗にしていきます。皆天井を床にして屈んで、です。
 拭いていますが神宝達は下を見下ろして言いました。
「不思議だね」
「うん、天井にいるのにね」
「床掃除をしているみたいよ」
「拭き掃除をして」
「そうした感じね」
「そうだね、これはね」
 かかしも拭き掃除をしつつ言います。
「床と天井があべこべになった感じだね」
「そうですよね」
「上下が逆になって」
「本や本棚が天井にある」
「そんな風ですよね」
「そんな感じですね」
「そうだね、決してそうじゃないのに」
 上下はそのままなのに、というのです。
「そこは違うね」
「そうですよね」
「上、いえ下じゃそれぞれお仕事をしている人もおられますし」
「それではですね」
「元通りですね」
「変わってはいないですね」
「変わったのは僕達だね」
 樵も言ってきました。
「そうだね」
「そうですよね」
「世界が変わったんじゃなくて」
「僕達がお薬を使って」
「そうなっていますね」
「世界は変わっていないですね」
「そうだよ、ではこのままね」
 是非にと言うのでした。
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